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【投資ポイント】2412 ベネフィット・ワン

ここでは、ベネフィット・ワン(以下、BO社)について、

投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します

各所に記載している数値は2022年7月執筆現在のものです

2022.7.28第1Q決算更新

ココが投資ポイント

BO社についての投資ポイントです

  1. パソナグループの子会社(パソナグループが株式の過半を持つ)
  2. JTBからJTBベネフィット(以下、JTBべ)を取得し、会員数が大幅に増加(280万人増)
  3. JTBとも協業開始
  4. JTBベの+αを除けば総会員数は1年以上横ばいor減少傾向
  5. 2022.3期まで11期連続増収増益
  6. 2022.3期は※売上高22.7%増および利益が23.3%増
  7. 営業利益率33.3%(2022.3期実績)と高収益体質
  8. 2023.3期計画は売上高20.2%増収も利益▲19.9%減益計画
  9. 2023.3期第1Q実績:
    売上高:105.8(24.8%)
    営業利益:28.9(1.9%)
    純利益:19.9(▲2.6%)
    単位:億円(前年同期比%)
  10. 配当性向70%以上を目標に掲げ、高成長&配当利回り&株主優待
  11. 現在の株価水準に対する2023.3期会社計画利益でPER44倍水準
  12. 株価は直近高値6,000円(2021年11月)から1/3まで下落

※2022.3期売上高については「収益認識に関する会計基準」を適用しない(前期と同条件の)場合の比較

これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・

投資ポイントの視点

  1. JTBベ取得による大幅な会員増とサービス統合、JTBとの協業の効果に期待
    JTBベの特殊要因を除く新規会員獲得が難しい中、次の成長への懸念
  2. 売上高の急成長の理由
    売上高前期比:2023.3期計画20.1%増、2022.3期22.7%増、2021.3期1.5%増、2020.3期8.2%
  3. 2023.3期計画の大幅減益の理由
  4. 高利益率&高配当性向&株主優待への魅力

これらの視点を順に見ていきます

視点①JTBベ会員吸収とサービス統合の効果

BO社の事業性質上、語弊も承知でざっくり説明をすると、

売上高 = 会員数 × サービス収入単価

これが福利厚生やヘルスケア、法人及び個人向けなど各サービスにより会員を獲得していくイメージです

ということは成長していくうえで、

会員の新規獲得増&解約減が最も重要な成長エンジンであることは言うまでもありません

そして、次にサービス充実によるサービス単価や利益率の向上が重要になってきます

そこで、会員数の推移をみていくと、

ベネフィット・ワン会員数推移


※単位:百万人
 2023.3期からは統合後のため、2社合計人数のみ開示

2021年9月公表868万人から横ばい(若干減っている)状況が直近公表の2022年3月末まで続いています

結果、大きなヒットが何かない限りBO社のみでの会員数の成長は見込みにくい状況です

そこで、JTBベの取得により、会員281万人獲得と大幅な会員増となり、約1,140万人まで会員数が伸びました

即サービス統合とは簡単にはもちろん行きませんが、

JTBベ取得前の会員数の約1/3もの会員が増え

これだけでも今後数年の間に売上および利益が3,40%伸びる可能性があります

また、サービス・営業面でもJTBと連携していくことが公表されています

両社の相乗効果での会員獲得およびサービス向上による業績向上も期待できます

ただし、JTBベとの統合後の総会員数は、ほぼ横ばいながらも減少しており、改善の必要性はあります

補足:

JTBベ単体での2021.3期の業績は売上高約100億円、当期純利益5.5億円となっており、

BO社の業績には2023.3期から本格的に上乗せされます

視点②売上高の急成長の理由

まずは、2022.3期の実績から見ていきます

「収益認識に関する会計基準」という見ただけでややこしそうなものがあり、

2021年4月からBO社だけでなく上場各社に適用されています

何かというと「売上になるかどうかの判断基準が変わった」ということで多くの企業で売上高が見た目上、減少しています

少し前置きが長くなりましたが、この影響を除けば2022.3期の売上高は85.8億円の22.7%増加となりました

2021.3期の売上高の伸びが1.5%だったとを考えると、

この売上高の伸びが一過性のものか新たな成長局面に入ったのかを分析しておく必要があります

そこで、2022.3期実績を見ていくと、85.8億円の増収要因の過半が「ヘルスケア事業」、次に主力の「福利厚生事業」です

「ヘルスケア事業」だけで約70億円近い増収となっており、これを除けば各事業ともに例年に近い成長と言えます

では、なぜ「ヘルスケア事業」だけはこれだけ伸びるのか?

これは2021.3期の売上の伸びが鈍化した理由でもあり、コロナウイルスまん延の影響です

本来は年1回は行う定期健診をコロナ禍により実施を中止した企業が数多くあり、「ヘルスケア事業」の売上・利益ともに減少しました

その反動で2022.3期では2年連続の定期健診の中止は健康管理面からも懸念され、実施を促されていることから件数が増加しました

さらにコロナワクチン接種対応も実施したことから「ヘルスケア事業」が大きく増収となっています

次に、2023.3期については、

JTBベネフィットの子会社化とそれに伴う会員増が上乗せされます

会社としては上記に加えて、コロナウイルスの影響から事業環境が正常化に向かうという予測から約20%程度の増収を見込んでいます

実際のBO社のみでの前期比比較では、増収率はかなり低い水準にとどまるとの予想です

視点③2023.3期計画の大幅な減益の理由

会社発表では、中長期の成長加速に向けた積極投資のための経費先行による減益となっています

主な内容として、

  • 大型プロモーションの実行
  • システムの刷新
  • JTBベネフィット合併後のシステムなどの統合費用
  • 福利厚生事業のサービス利用回復による補助金支出の増加

最後を除けば、成長やM&A後の投資としてはよくあることであるため、これ自体が問題ではありません

ただし、2022.3期まで11期連続で増収増益だったにもかかわらず、2023.3期以降は減益になってでも大型投資をしないといけない厳しい状況であるとも取れます

この大型先行投資がどのくらいの効果が出てくるのか、2023.3期以降の実績推移を注視していく必要があります

視点④高利益率&高配当性向&株主優待

2022.3期実績で売上高営業利益率33.3%と全上場企業の中でもトップクラスの高収益を誇ります

これは売上が伸びれば他の企業より利益が多く獲得できることを意味しています

次に配当性向についてですが、

配当性向
獲得した利益に対してどれだけ配当したか
⇒ 配当金総額 / 当期純利益

配当性向が高い会社ほど多くの配当をしています

ベネフィット・ワンは配当性向70%以上を会社として公表しています

今後利益が成長すればそれに伴い配当額も増えていくことを示しています

最後に、株主優待は現在のところ、以下の2つのクラスで用意されています

100株以上800株未満保有:ベネフィット・ステーション株主様コースA

800株以上保有:ベネフィット・ステーション株主様コースB

※保有期間の条件はなし

さすが福利厚生が主力事業の企業だけあって株主優待も充実しています

※詳細はベネフィット・ワンのホームページ等でご確認ください

補足事項:2023.3期第1Qの実績考察

2023.3期第1Qの実績は、

売上高:105.8(24.8%)
営業利益:28.9(1.9%)
純利益:19.9(▲2.6%)
単位:億円(前年同期比%)

2023.3期上期会社計画

売上高:209.5(11.7%)
営業利益:40.0(▲41.9%)
純利益:26.4(▲45.3%)
単位:億円(前年同期比%)

と比較すると、第1Qは売上高は計画水準ですが、利益水準は計画を超えているような印象です

大幅な増収要因は、取得したJTBべの上乗せによるところも大きいです

ただし、計画発表も4月末と第1Qの予想は、ある程度できるタイミングでもあったため、

短信などの会社公表資料では、概ね計画通りの推移ということで、第1Qは利益高め、第2Qはある程度落ち込む計画となっているかもしれません

前年同期比では、福利厚生部門とヘルスケア部門が大きく伸びており、利益面では特にヘルスケア部門の伸びは顕著でした

福利厚生部門の売上の伸びは、JTBべが加わったことによります

ヘルスケア部門について、前年同期比でKPIをみていくと

2022.3期1Q → 2023.3期1Q
検診の受信件数:16 → 17
特定保健指導の初回面談件数:3 → 2
コロナワクチン接種手配回数:34 → 19

上記よりKPIは、ほぼ横ばいか悪くなっているにもかかわらず、売上・利益ともに伸びているところに不明な点が残りました

全体的に現時点での会社開示資料のみでは、第1Qの実績が良かった点が具体的に把握できずでした

現在の株価は割高?割安?

PER46倍程度と決して割安の水準とは言えません

それだけ成長期待もされているということを示しています

一方、2022年11月に最高値6,000円からは1/3水準まで下落しています

ということは下がるところまで下がって、反転上昇する機会をうまく捉え、業績が成長基調へ転じれば、

2倍以上の株価上昇も期待できるかもしれません

2023.3期の業績予想により当面は株価低迷が予想されます

個人的にはもうしばらく様子見をオススメします

また、何か動きがあれば順次更新していく予定です

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現在の僕の投資の状況に興味があればこちら

会社概要

証券コード/銘柄名:2412/㈱ベネフィット・ワン

設立年/上場年/上場市場:1996年/2004年/プライム

業種コード/業種:9050/サービス

決算月:3月

事業内容:パソナG子会社。福利厚生やヘルスケアなど法人・個人の「人」に特化した事業を多角的に展開

5年の売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円

  • 22.3(会社予想):37,310(▲1.4)/11,750(20.2)/11,830(20.0)/8,120(20.0)
  • 21.3:37,841(1.5)/9,774(16.4)/9,858(16.5)/6,766(19.9)
  • 20.3:37,271(8.2)/8,394(9.9)/8,462(9.8)/5,641(9.0)
  • 19.3:34,461(7.4)/7,641(23.0)/7,707(23.1)/5,176(23.5)
  • 18.3:32,089(8.9)/6,212(6.2)/6,263(9.4)/4,190(8.7)

最後に

僕は日本の個別株への投資をメインにしています

また、その中でも成長性の高い株です

そのため比較的リスクは高めなものが中心です

これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています

その中で自分なりに分析して勝負する

時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、

そして、利益を積み上げることができたと思っています

投資はどうしても自己責任を伴うものです

どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです

なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです

ここまで読んでいただいてありがとうございます

一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!

注意事項

※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください

記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです

そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません

また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください

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