ここではくら寿司について、
投資の参考にできる情報と視点、将来性、割高/安の判断などを紹介します
各所に記載している数値は2022年12月執筆現在のものです
2022年12月12日本決算更新
目次
ココが投資ポイント
くら寿司についての投資ポイントです
- 回転ずしチェーンを国内を中心に米国、台湾にて展開
- 店舗数:614店舗(2022年10月)
日本:526、米国:40、台湾:48 - 店舗数は日米台ともに増加基調、2023.10期は45~50店舗の出店計画
2022.10期の出店状況
日本:33、米国:8、台湾:8 - 2022.10期は通期計画を大幅な下方修正するも実績は下回る
- 直近は原価高騰の影響を大きく受ける
- 2022年7月より実質値上げとなる商品改定を実施、220円皿が主力に変わる
2022年10月より値上げも一部商品は値下げ - 2023.10期は時短営業協力金がなくなる
- 2023.10期以降はインバウンドの復活と海外事業の成長が鍵
国内のみの利益改善は期待薄 - 2022.10期実績:
売上高:183,053(23.9%)
営業利益:▲1,113(2期連続の営業損失)
純利益:744(▲60.8%)
単位:百万円(前年同期比) - 2023.10期計画:
売上高:209,000(14.2%)
営業利益:3,000(黒字転換)
純利益:1,100(47.7%)
これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・
投資ポイントの視点
- インバウンドと海外事業への期待
この視点を詳しく見ていきます
視点①インバウンドと海外への期待
まず出店状況を見ていきます
現在は国内を中心に、米国と台湾に出店しています
2022.10期は49店舗を出店、2023.10期も45~50店舗と同水準の計画となっています
店舗の状況は、2022年10月末時点で、
日本:526
米国:40
台湾:48
合計:614
です
3地域ともに順調に店舗数を拡大しており、売上高も3地域とも2022.10期実績は過去最高を更新、2023.10期もさらに更新する計画です
さらに中国への出店計画も再始動し、早ければ2023.10期に出店予定となっています
地域別の2022.10期の結果と今後について見ていくと、
・日本
時短営業協力金のおかげもあり、経常利益ベースでは黒字も前期比では大幅減益
時短営業協力金がなければ赤字の状況です
国内事業としては原価高騰の影響が大きく、厳しい状況が続いています
国内需要のみでは今後の成長期待が難しく、業績改善にはインバウンドによるプラスαの集客および客単価向上が必須の状況です
・米国
営業規制が解かれたことにより、売上高が大きく伸び、店舗数の違いや円安の影響もありますが、前期比で2.5倍近い売上高となっています
下期は黒字化を達成したとの公表もあり、食材や人件費などのインフレによる原価高騰が大きな懸念材料ではありますが、
2024.10期あたりにはくら寿司全体の業績に利益貢献する水準まで成長すると見込んでいます
・台湾
米国と同じく台湾も、経済の正常化とともに客足が戻り、売上高が75%増、経常利益が前期赤字から国内を超える利益を計上しています
台湾はすでに黒字化していることから、今後は出店加速による利益拡大局面に達しています
こちらもやはり原価高騰の影響は懸念されるところですが、台湾においては出店増加に伴う利益拡大が十分に見込めます
3地域ともに原価高騰の影響がどの程度になるか、短期的な予測は難しいですが、海外を中心に中長期的な展望としては、成長に期待ができ、計画中の中国をはじめ他の地域への出店も今後実施されていくと思われます
補足:2022.10期と2023.10期以降の考察
2022.10期実績は、
売上高:183,053(23.9%)
営業利益:▲1,113(2期連続の営業損失)
純利益:744(▲60.8%)
単位:百万円(前年同期比)
売上は前期比で順調に伸びるも、2~4Qは各四半期とも営業赤字と厳しい状況です
原因はこのところ続く原価高騰、積極的な広告費等による販管費率の高止まりが主要因です
これにより、通期計画も大幅な下方修正が発表され、かつ、その修正計画も下回る着地となっています
当初計画 → 修正計画 → 実績
売上高:188,869 → 182,477(▲3.4%)→ 183,053(▲3.1%)
営業利益:2,827 → ▲902(営業損失へ転落)→ ▲1,113(2期連続の営業損失)
純利益:2,878 → 884(▲69.3%)→ 744(▲74.1%)
営業利益が営業損失にまで落ち込んだ形になっていることが、今の状況を如実に表しています
飲食を含む小売業は、どうしても薄利多売の利益率が低い業態です
利益率が低い中に原価高騰の波が来てしまうと、簡単に損失転落という結果となってしまいます
これが小売業などの利益率が低い業種の難しいところです
商品構成の変更や一部値上げなどを実施しており、企業努力も継続的に行われることから営業赤字の状況も改善はされてくると思いますが、まだ時間を要する段階と見込まれます
インフレなどによる原価の高騰は2023.10期も続くと見られ、今回会社から発表された2023.10期の計画は正直厳しいと言わざるを得えません
2022.10期のような大幅減益の下方修正を出して、信頼を失うようなことにならないことを願います
一方で、すでに書いた通り海外事業は今後拡大と投資回収局面に入り、利益の稼ぎ頭になってくるとともに、くら寿司全体の再成長局面にも入る見込みが高いです
そのため、2023.10期のどこか業績とともに株価低迷するタイミングで仕込めれば、上昇期待は大きいと見ています
現在の株価は割高?割安?
現在の株価が決算発表前で3,340円で、直近高値からは少し下げましたが、継続的に上昇してきました
今回の発表は説明した通り、2022.10期の実績は厳しく、2023.10期も黒字化を見込むものの低水準であり、PER換算では120倍とかなり割高と見なされる株価水準です
個人的には、2023.10期も下方修正の可能性が一定程度あり、特に上期は業績が低迷すると予想しています
そのため既に書いた通り、2023.10期のどこか株価が低迷するタイミングで買っておくと、2024.10期以降の株価上昇はかなり期待できるのではないかと見ています
あくまで個人的意見のため、投資の際は必ずご自身にて十分な検討を行ったうえで判断してください
また、何か動きがあれば順次更新していきます
他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら
個別株への投資の方法について興味あればこちら
現在の僕の投資の状況に興味があればこちら
会社概要
証券コード/銘柄名:2695/くら寿司㈱
設立年/上場年/上場市場:1995年/2001年/プライム
業種コード/業種:6100/小売
決算月:10月
事業内容:回転ずし「くら寿司」を展開、回転ずしでは2番手。米国、台湾にて海外展開
営業収益/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円
- 23.10(会社予想):209,000(14.2)/3,000(-)/3,100(26.2)/1,100(47.7)
- 22.10:183.053(23.9)/▲1,113(-)/2,457(▲22.6)/744(▲60.8)
- 21.10:147,592(8.7)/▲2,678(-)/3,174(179.5)/1,901(-)
- 20.10:135,835(▲0.2)/350(▲93.6)/1,135(▲81.5)/▲262(-)
- 19.10:136,134(2.7)/5,475(▲20.4)/6,135(▲19.9)/3,766(▲26.6)
- 18.10:132,499(7.9)/6,875(8.4)/7,655(5.1)/5,130(5.0)
最後に
僕は日本の個別株への投資をメインにしています
また、その中でも成長性の高い株です
そのため比較的リスクは高めなものが中心です
これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています
その中で自分なりに分析して勝負する
時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、
そして、利益を積み上げることができたと思っています
投資はどうしても自己責任を伴うものです
どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです
なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです
ここまで読んでいただいてありがとうございます
一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!
注意事項
※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください
記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです
そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません
また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください