ここでは、オイシックス・ラ・大地(以下、Oisix)について、
投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します
各所に記載している数値は2022年11月執筆現在のものです
2022.11.10決算発表後更新
目次
ココが投資ポイント
Oisixについての投資ポイントです
- 特色ある食品宅配事業を主力に事業展開
- 「Oisix」をスタート、「大地を守る会」やNTTドコモから「らでぃっしゅぼーや」を買収して事業及び会員数を拡大
- 米国で「The Purple Carrot」を買収後に黒字化達成、ヴィーガン食で事業展開
- 他に海外では香港、上海に展開
- 資本業務提携:リクルートHLDやNTTドコモなど、業務提携は幅広く展開
- 2022年10月にシダックス㈱をグループ会社化
- 最近は物流施設移転に伴う配送混乱で話題、2022.3期第4Qへ大きな影響
- サブスク(ストック)型ビジネスが基盤
売上高 ≒ 単価 × 会員数 - 単価は伸び悩む、会員数も増加成長に鈍化がみられる
- 2023.3期第2Q実績:
売上高:554(▲1.3%)
営業利益:16.7(▲50.0%)
純利益:8.9(▲58.6%)
単位:億円(前年同期比%) - PER24倍台と低迷中
これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・
投資ポイントの視点
- 2023.3期以降の成長性
- 株価の大幅な上昇を期待しない
これらについて見ていきます
視点①2023.3期以降の成長性
2022.3期の本決算発表前の本記事では、物流困難による影響と2023.3期以降の成長性への懸念を書き、株価も割高であることを書きました
やはり、2023.3期の業績計画値は芳しくなく、発表翌日5.13の株価はストップ安水準で推移、8.10の第1Q決算発表後は一時大きく株価が上昇するも、現在は1600円台と低迷しています
2023.3期第2Q実績は、
売上高:554(▲1.3%)
営業利益:16.7(▲50.0%)
純利益:8.9(▲58.6%)
と2023.3期は売上高は前期水準を維持するも、1Q同様に大幅な減益となりました
そこで下がった後の2023.3期以降の成長性について見ていきます
事業形態はサブスク(ストック)型ビジネスが主体、単価の上昇または会員数の増加が主な成長源です
過去からの推移を見ると、
単価の上昇は今の延長上では難しく、2023.3期第2Qは主要3ブランドとも前年同期比では単価は下落、コロナウイルス感染拡大前よりは高水準を保っている状況です
会員数は「大地を守る会」のみ低迷傾向ですが、「Oisix」、「らでぃっしゅぼーや」含め主要3ブランドとも1Qからは増加(3ブランド合計+7,700人純増)しており、コロナ特需後の低迷からの再成長の兆しは見えてきました
コスト面では、物流混乱による影響は2022.3期第4Qでほぼ収束しており、影響も当初見込みほど悪くならなかったため、今後については問題とはならないと見ていいでしょう
物流混乱などにより上昇した物流コストなども、効率化等により今後は下がっていくと見られ、売上総利益率の改善は見込まれます
足元では、原材料費等の価格高騰の影響は大きいですが、約3%の原価改善への取り組みや一部商品については値上げを実施、今後も値上げの可能性は高いと見て、この点では単価及び利益率は一時的には下がるも、今後上昇していく想定です
ここ最近では、値上げは好意的に受け取られ、業績向上/株価上昇の好材料になることが多いです
しかし、Oisixのようなサブスク型の場合は、値上げが直接消費者心理に大きく影響を与え、上記のような業績向上への好影響にはなりにくいとの懸念があります
この値上げによる会員数の伸びの鈍化が起これば、
会員数の伸びの鈍化 → 成長鈍化 → 株価低迷
の悪循環に陥る可能性も頭に入れておかなければいけません
最後に海外事業として、米国で展開するPurple Carottですが、2020年から黒字が定着していましたが、直近は売上の減少とともに赤字となっています
今後は値上げや改善のために日本からスタッフを送るなど、テコ入れしていく予定ですが、現在は業績の重荷の1つとも言えます
次の四半期以降の動向を注視し、
- 会員数が順調に伸び続けている
- 単価が上がらずとも下がっていない
- 利益率の改善(コスト削減)
この2点を特に重視して決算資料の分析が必要です
視点②株価の大幅な上昇は期待しない
コロナ禍により食品宅配はトレンドとなり、Oisixも株価が1,000円程度から5,000円程度まで約5倍となりました
トレンドのパワーを感じさせられます
現在はトレンドの終了とともに1,600円台と最高値の1/3程度まで下落しています
2023.3期第2Qが1Qに続き、大幅な減益であったため、株価は下がるかもしれません
今後はコロナ禍のような食品宅配のトレンドが再度来ない限り、上記のような株価上昇は見込めません
業績面からみて多少なりとも伸びる可能性はある一方、大規模なM&Aなどのサプライズがない限り、人気化する要素が少ないです
シダックス㈱株式の28.47%を取得し、グループ会社化しましたが、この件は二転三転するなど逆に株価を下げるような結果となってしまっています
そのため、業績の急成長を期待させるものがなければ、株価も急騰することはほとんどないため、
Oisixへの投資に関しては、着実な業績の積み上げ、それに伴うゆるやかな株価上昇を目指して投資する、加えて株主優待などを活用するやり方をオススメします
現在の株価は割高?割安?
PERが大きく下がったとはいえ、現時点ではまだ24倍台と成長を期待されるグロース株水準です
決して割安ではありません
2023.3期第2Qの決算発表後に株価がどのように変動するかも注視する必要がありますが、
現時点では個人的にまだ割高と判断しています
このPER水準からさらに大きな株価上昇を期待しようとすると既に書いた、
- コロナ禍のような食品宅配事業への追い風トレンドが来る
- 業績向上を期待できるような大型のM&Aなどのようなサプライズがある
など特別なことがないと難しいです
業績の急成長はトレンドまたはサプライズなどがなければ難しく、前者のトレンドは来たばかりのため、運よく後者があればいいなという程度です
後は着実な業績成長による長期的な株価上昇へ期待して投資することです
米国事業での成長など着実な業績成長を期待できるようになることがOisixへの投資のポイントになります
また、何か動きがあれば順次更新していく予定です
他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら
個別株への投資の方法について興味あればこちら
現在の僕の投資の状況に興味があればこちら
会社概要
証券コード/銘柄名:3182/オイシックス・ラ・大地㈱
設立年/上場年/上場市場:2000年/2013年/プライム
業種コード/業種:6100/小売
決算月:3月
事業内容:特色ある食品の宅配事業を展開。Oisix,大地を守る会,らでぃっしゅぼーやが中心、米国ではヴィーガン向け食品を展開
売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円
- 23.3(会社予想):120,000(5.7)/4,500(7.9)/()/2,500(▲8.3)
- 22.3:113,476(13.4)/4,171(▲44.1)/4,153(▲41.0)/2,727(▲45.8)
- 21.3:100,061(40.9)/7,465(202.6)/7,037(285.6)/5,031(536.7)
- 20.3:71,040(11.0)/2,467(6.7)/1,825(▲20.7)/790(▲66.9)
- 19.3:64,026(60.1)/2,312(159.4)/2,301(145.6)/2,387(906.4)
- 18.3:39,987(73.7)/891(18.4)/937(20.4)/237(▲54.0)
最後に
僕は日本の個別株への投資をメインにしています
また、その中でも成長性の高い株です
そのため比較的リスクは高めなものが中心です
これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています
その中で自分なりに分析して勝負する
時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、
そして、利益を積み上げることができたと思っています
投資はどうしても自己責任を伴うものです
どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです
なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです
ここまで読んでいただいてありがとうございます
一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!
注意事項
※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください
記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです
そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません
また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください