ここではブイキューブについて、
投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します
各所に記載している数値は2022年11月執筆現在のものです
2022.11.11第3Q決算更新
目次
ココが投資ポイント
ブイキューブについての投資ポイントです
- Web会議やオンラインイベントなどのシステム・サービスやテレキューブの販売・レンタルが主力
- Web会議システムがなかった時期に、不便さから自分たちでシステム開発をしてしまうようなマインドがベース
- メタバース領域にも進出し、バーチャルオフィスプラットフォーム「Eventln Workplace」の提供開始
- 2020.12期、2021.12期とテレワークなどのトレンドに乗り急成長
- 2022.12期第3Q実績:
売上高:9,093(+6.9%)
営業利益:551(▲50.3%)
当期利益:384(▲60.7%) - 2022.12期計画も大幅な下方修正を発表
これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・
投資ポイントの視点
- ユニークな3事業を展開
- リスク
- 2022.12期2Qの減益要因
これらの視点を詳しく見ていきます
視点①ユニークな3事業を展開
ブイキューブは大きく分けて、
- エンタープライズDX事業
- イベントDX事業
- サードプレイスDX事業
の3事業を展開しています
すべてにDXがついており、DXがブイキューブのベースとなっています
ブイキューブは「ユニークさ」が強みであり、簡単には参入できない技術力や製品・サービス力の高さ、常に一歩先をゆく事業展開が、競合他社の少ない領域で勝負できていることが成長の源泉でもあります
イベントDX事業
Web会議システムを自社開発するくらい早くからオンライン化に取り組んでおり、今ではWeb講演会や、採用面接、展示会/商談会、そしてバーチャル株主総会なども手掛けています
これらは通常のWeb会議システムよりもニーズや法令に対応した高度なシステム基盤が必要となります
その分競合が少なく価格競争になりにくいメリットがあります
2021年には米国Xyvid社を100%子会社として買収、海外での展開も加速させています
メタバースへの進出として、「メタバースイベントサービス」、バーチャルオフィスプラットフォーム「Eventln Workplace」をそれぞれ開始し、一歩先をゆく事業展開が強みです
ただし、足元の状況では厳しい状況となっています
エンタープライズDX事業
Web会議システムから企業内外のコミュニケーション、事業のリモートなどを商品、サービスとして展開
区分では、
- LMS(Learning Management System)
- 緊急対策ソリューション
- SDK(Software Development Kit)
- 汎用ウェブ等
の4つ分かれており、SDKが急成長をしています
SDKは契約各社のニーズに合わせ、事業のリモート化、DX化を推進し、オンラインでの英会話や医療相談、フィットネス、イベント配信といったものとして、サービスを提供
スポット収益の開発・カスタマイズから、保守・継続利用料課金というストック収益へ、うまく移行していくビジネス形態も長所となります
他にも緊急対策ソリューションとして、V-CUBE(情報・データを投影・集約する電子テーブル)、V-CUBEコラボレーション(遠隔地とのリアルタイム情報共有コミュニケーションシステム)、スマートグラス(現場の映像をリアルタイム共有し、支持・サポート)を提供、
LMSとして、オンライン教育・研修のためのシステム・サービスをを提供しています
サードプレイスDX事業
テレキューブの販売・レンタルが主で、2022.12期2Qでは大きく伸び、設置累計台数も14,666台まで成長しています
テレキューブは個室のワークプレイスのようなもので、コロナウイルスまん延後には、需要の高まりより設置台数が伸びています
企業や公共向けに販売とサブスク型の契約形態で展開しており、企業のテレワークや働きやすい環境整備に一役買っています
ここでも、メタバース領域への新たな取り組みとして、個室型VR空間「メタキューブ」というサービスをテレキューブを通して提供、事業領域を広げています
サードプレイスDXはまだ成長を期待できそうですが、あまり楽観視できる状況ではないとの認識をしています
視点②リスク
あえて「リスク」という視点でも紹介しておきます
ブイキューブの事業は、コロナウイルスまん延後から大きなトレンドとともに急成長しています
これはトレンドが終了するタイミングが来たときに、成長をどのように継続していくかが問題ともなります
今後もテレワークなどにとどまらない、オンラインでのイベントや株主総会、現場との遠隔共有、遠隔医療など、産業のリモート化・デジタル化は、当面続いていくと見込まれます
これはブイキューブにとっての成長の源泉の1つでもあります
しかし、大きなトレンドとしてできたきたものはいずれ落ち着きます
現在の事業内容を見ていく限り、それ以降も安定的に成長する要素を見出すことが難しい点は、リスクでもあると考えます
実際にコロナウイルスまん延前は、2015.12期から2019.12期売上高の伸び悩み、経常損益も3期/5期が赤字と苦戦を強いられていました
この点は投資をするうえでは、認識しておく必要があります
実際にこの点が顕在化してきているのが現在と言え、業績については後ほど紹介していますが大幅な下方修正の発表が強いられる状況です
視点③2022.12期3Q実績と通期予想の考察
2022.12期第3Qの四半期だけを見ると3年ぶりくらいの四半期赤字となっています
売上高も増収基調から3Qのみでは前年同期比で、同水準の売上高と売上の伸びも急速に鈍化しています
一方で原価及び販管費が高止まりしており、高コスト体質が赤字の要因です
2022.12期はこの流れは継続していくと予想され、2022.12期の着地は良くて下方修正後の数値、修正後の数値も下回る可能性も懸念されるところです
今後コストコントロールを目指していくとの説明もありますが、これまでの前提が高成長に見合う拡大であったため、コスト削減は厳しい点も多く、経営陣の見通しが甘かったというのが結果です
結果だけを見れば僕のように簡単にこう書けますが、実際に経営をしながら将来を見据えてかじ取りをすることは難しいこともあり、ブイキューブのようにトレンドに乗った場合は、一層難しいと思われます
ただ、投資する側は今後の業績をどう予想し、株価がどうなるかがポイントになるため、
3事業区分ともに成長鈍化が鮮明な現状では、当面は成長を期待することはあまりできません
現在の株価は割高?割安?
株価は6月を境に上昇を続け、6月底の839円から直近高値1,461円では、実に74%も株価は上昇しています
しかし、2022.11.1に業績予想の下方修正を公表したことにより、年安に近い755円まで再度下げました
現在は901円と戻してきてはいますが、業績自体が低迷している状態では割安と言えず「買い」の判断はできません
買い目線はあくまで、状況が好転するような「何か」が出てきたタイミングと見ています
また、何か動きがあれば順次更新していきます
他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら
個別株への投資の方法について興味あればこちら
現在の僕の投資の状況に興味があればこちら
会社概要
証券コード/銘柄名:3681/㈱ブイキューブ
設立年/上場年/上場市場:2000年/2013年/プライム
業種コード/業種:5250/情報・通信
決算月:12月
事業内容:ビジュアルコミュニケーションの企画開発、販売、運用保守およびサービス提供、Web会議や個室型スペースの販売・サービス提供が主力
売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円
- 22.12(会社予想):12,300(7.0)/800(▲40.8)/700(▲43.2)/500(▲62.2)
- 21.12:11,493(38.8)/1,351(29.1)/1,232(20.9)/1,324(16.3)
- 20.12:8,282(30.0)/1,046(-)/1,020(-)/1,138(3,210.3)
- 19.12:6,369(▲19.9)/▲284(-)/▲341(-)/34(▲92.5)
- 18.12:7,960(19.9)/345(-)/259(-)/456(-)
最後に
僕は日本の個別株への投資をメインにしています
また、その中でも成長性の高い株です
そのため比較的リスクは高めなものが中心です
これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています
その中で自分なりに分析して勝負する
時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、
そして、利益を積み上げることができたと思っています
投資はどうしても自己責任を伴うものです
どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです
なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです
ここまで読んでいただいてありがとうございます
一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!
注意事項
※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください
記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです
そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません
また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください