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【投資ポイント】3934 ベネフィットジャパン

ここではベネフィットジャパン(以下、bj社)について、

投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します

各所に記載している数値は2022年11月執筆現在のものです

2022.11.10決算更新済

目次

ココが投資ポイント

bj社についての投資ポイントです

  1. 主力のモバイルWi-Fi事業と育成中のロボット事業の2事業を中心に事業展開
  2. フローとストックの収益のバランスが良く、特にストック収益が堅調に成長(前年同期比+11.0%
  3. ストック収益の源泉となる保有契約回線数225,700回線(前年同月比+20.5%
    2023.3期第2Q回線別の内訳(2022.3期対比)
    ・モバイルWi-Fi事業:205,700(+18,500)
     定期契約:93,600(▲3,900)
     MVNE:74,200(+11,200)
     レンタル:30,900(+700)
     プリペイド:7,000(新規)
    ・ロボット事業:19,900(+3,500)
  4. 5期連続2ケタ増収&8期連続経常利益2ケタ増益で最高益を更新継続中
  5. 2023.3期通期は当初計画から大幅な減収減益となる下方修正
  6. 2023.3期第2Q実績:
    売上高:6,257(+8.5%)
    営業利益:358(▲54.0%)
    純利益:91(▲82.5%)
  7. 今後の大きな成長の成否はロボット事業がカギ

MVNE:Mobile Virtual Network Enablerの略。大手携帯会社などから回線を借り、借りた回線を利用しやすく仕組みを整え、別の業者などへ卸す一次卸業者の立ち位置

これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・

投資ポイントの視点

bj社については、ビジネスモデルの理解と主力の2事業の成長性が重要な投資ポイントになるため、それぞれについて見ていきます

  1. フロー → ストックの理想的なビジネスモデル
  2. モバイルWi-Fi事業の安定成長の可能性
  3. ロボット事業の急成長の可能性

これらの視点の根拠を順に見ていきます

視点①フロー → ストックの理想的なビジネスモデル

フロー収益:
 モバイルWi-Fi事業:端末売上
 ロボット事業:ロボット商品売上

ストック収益:
 モバイルWi-Fi事業:月額通信料やオプション利用料
 ロボット事業:月額通信料やオプション利用料

bj社のビジネスモデルでは、契約回線の新規契約を取ることで、入口のモバイルWi-Fi端末またはロボット商品のフロー収益とその後の通信料やオプション利用料のストック収益がセットで積み増されていきます

新規契約が増加し、解約率が低く抑えることができればストック収益が積み上がり、業績が成長を続けます

視点②モバイルWi-Fi事業の安定成長の可能性

モバイルWi-Fi事業では、定期契約の契約数が頭打ちになっているものの、MVNEとして回線の一次代理店(卸事業者)としては順調に伸びており、契約数が当面は安定的に成長すると期待できます

契約数が伸びれば視点①でのビジネスモデルの通り、特にストック収益が成長していきます

これで解約率を低く抑えることができれば、ストック収益が事業基盤の安定化にも寄与してくるため、このストック型ビジネスはキーポイントです

一方で、現在は営業人員などの経営資源はロボット事業へ重点的に投入しているため、モバイルWi-Fi事業の急成長は期待ができません

実際に2023.3期第2Q実績では、契約数の状況は、

・モバイルWi-Fi事業205,700(+18,500)
 内訳
 定期契約:93,600(▲3,900)
 MVNE:74,200(+11,200)
 レンタル:30,900(+700)
 プリペイド:7,000(新規)

モバイルWi-fi事業全体では、契約数は着実に増加を続けています

一方で、売上高はフロー部分の端末売上が減少しており伸びが低迷しています

モバイルWi-Fi事業:2023.3期2Q実績
売上高:47.9億円(+5.6%)

営業利益:10.5億円(▲0.4%)

視点③ロボット事業の急成長の可能性

まず見ていくのがロボット市場の状況です

bj会社公表資料では、ロボット市場は2018年約1,200億円でまだ小さな市場です

2024年に2,400億円を超えて2018年比2倍以上になる想定をしています

このくらいであれば現在のロボット市場を見る限り、比較的妥当な水準です

次にbj社のロボット事業の期初の計画ですが、

ロボット事業の業績計画:
売上高:2023.3期43億円(+126.3%)

    2024.3期70億円(+62.8%)

と意欲的な急成長の数字でした

この計画を支えるKPIでは、(順に2021.3期実績、2022.3期実績、2024.3期計画)
ショップ数:1店舗 → 5店舗 → 15店舗
営業人員:40人 → 95人 → 250人
パートナー稼働社数:1社 → 6社 → 15社

KPI:重要業績評価指標。業績達成のために経営上重要と見なして設定・管理する指標(項目)

とそれぞれのKPIをこれから2年間で、2,3倍規模まで拡大する計画です

積極的な体験型ショップのオープン、商品ラインナップの拡充、家電量販店などでの販路拡大のために量販事業部の設置などが計画されています

一方で、ロボット事業の2023.3第2Q実績では、売上高13.2億円(38.0%増)と伸びるも、当初計画の+126.3%のペースから考えると、販売が計画を下回っている状況です

また、販売促進コストなどの大幅な増加により、ロボット事業の第2Q営業利益は▲5億円(▲312.3%)と損失が拡大してしまっています

ロボット市場はスマートスピーカーなどで拡大を続けてはいるものの、まだどの程度成長するか、また、その中でもどのような分野のロボットが伸びていくかは予想が難しく、足元の状況は厳しいです

ロボット事業の成長が期初想定から大幅に遅れたため、通期の業績も大幅に下方修正が余儀なくされました

ロボット事業については、短期的には成長期待が難しい状況となってしまっています

現在の株価は割高?割安

bj社は過去からの業績成長はグロース株と言える内容です

一方、決算発表前でのPERは8倍程度とグロース株の中ではかなり低い水準です

これだけPERが低いと、会社の計画通りに伸びれば株価はそれに伴って伸びると思われますが、

おそらくbj社の事業が計画通りに伸びるかどうかのリスクが、PERを低迷させている要因です

実際に今回の決算発表とともに業績の下方修正も発表されたことも、そのリスクが顕在化したとも言えます

モバイルWi-Fi事業は他社との競合、ロボット事業はbj社が位置する市場自体が成長するか、というそれぞれのリスクは小さくはありません

当面は株価は低迷すると予想されます

また、何か動きがあれば順次更新していきます

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会社概要

証券コード/銘柄名:3934/㈱ベネフィットジャパン

設立年/上場年/上場市場:1996年/2016年/プライム

業種コード/業種:5250/情報・通信

決算月:3月

事業内容:モバイルWi-Fi事業が主力。第2の柱としてロボット事業を育成中

売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円

  • 23.3(会社予想):12,483(7.9)/946(▲37.2)/925(▲39.6)/466(▲55.6)
  • 22.3:11,567(16.3)/1,507(17.7)/1,532(17.2)/1,049(15.0)
  • 21.3:9,945(29.1)/1,280(13.9)/1,308(17.0)/912(21.8)
  • 20.3:7,701(24.4)/1,124(33.3)/1,118(32.6)/749(28.0)
  • 19.3:6,192(19.7)/842(10.6)/843(14.1)/584(14.7)

最後に

僕は日本の個別株への投資をメインにしています

また、その中でも成長性の高い株です

そのため比較的リスクは高めなものが中心です

これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています

その中で自分なりに分析して勝負する

時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、

そして、利益を積み上げることができたと思っています

投資はどうしても自己責任を伴うものです

どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです

なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです

ここまで読んでいただいてありがとうございます

一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!

注意事項

※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください

記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです

そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません

また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください

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