ここではトヨクモについて、
投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します
各所に記載している数値は2022年11月執筆現在のものです
2022.11.11第3Q決算更新
目次
ココが投資ポイント
トヨクモについての投資ポイントです
- サイボウズ100%子会社として設立、現在はCEO山本氏が過半を保持
- サイボウズkintoneとの連携サービスと安全確認サービスが事業の主力
- 両サービスともストック型ビジネス、契約社数も2020.12期から2022.12期第3Qまで毎Q増加
- 両サービスとも四半期ごとに順調に売上高が伸張中
- 解約率も1%未満と低く抑えられている
- 月次売上高も1~10月は前年同期比で34%増、増収率は減少傾向も高い水準で成長
- 2022.12期上期は広告宣伝費予算の費消が少なく大幅増益
下期は広告費増加により利益額は上期比で減益計画 - 会社計画は上方修正も下期は上期比で広告費増加による減益計画
営業利益:3Q実績 523 → 通期計画 600 - 営業利益率目標:今後としての計画30%を達成できれば高収益体質
2022.12期修正計画:31.1% - 業績計画に対する現在株価のPER:37倍程度と高い成長期待
これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・
投資ポイントの視点
- サイボウズとの強力な連携関係
- ストック型ビジネス
- 広告宣伝費の影響
これらの視点を詳しく見ていきます
視点①サイボウズとの強力な連携関係
元々がサイボウズの100%子会社として設立され、現CEO山本氏に委譲された形であるため、サイボウズとの関係は強いと予想できます
実際にサイボウズサービスkintoneとは、トヨクモのサービスが最も広く深く連携しています
サイボウズは法人クラウドサービスでは、国内大手の1社であり、kintoneだけでもすでに23,000社以上(2021年12月時点)※1です
また、サイボウズは2012年以降10期以上増収を継続中、契約社数とともに事業の拡大を続けています
この強力な基盤との連携サービスが大きな強みです
トヨクモのkintone連携サービスの契約社数7,600社以上※2と公表されており、サイボウズの契約社数全体の30%超です
他社との競合はもちろんありますが、まだ十分に契約社数を伸ばせる余地があり、サイボウズとも連携して新規顧客の獲得が見込めます
また、安否確認サービスもサイボウズを含め、すでに契約社数:3,000社以上で順調に契約数を伸ばしています
トヨクモ契約社数推移
上記資料は※3より抜粋しています
2022.12期第2Qで契約数合計10,000を達成しましたが、両サービスともに上期では増加数が連続で減少しており、懸念点として挙げていました
3Qでは増加に転じていたため、もうしばらくは堅調に増加が続くことが予想されます
出典:
※1:サイボウズ株式会社「2021年12月期決算・事業説明会‗発表資料」
※2,3:トヨクモ「2022年第3四半期 決算説明資料」
視点②ストック型ビジネス
主なサービスの内容を簡単に紹介していきます
・安否確認サービス
ライトプラン:6,800円~
プレミアプラン:8,800円~
ファミリープラン:10,800円~
エンタープライズプラン:14,800円~
上記は月額利用料、年間契約時は5%割引
という料金形態となっており、契約社数が伸びれば、その分月次の売上高が伸びる仕組みです
・kintone連結サービス
様々なサービスが提供されており、1つ1つへの言及は長くなるため控えますが、
主なサービスが数千~2,3万円/月で提供されており、こちらも同様に、契約社数の伸びとともに月次の売上高が伸びる仕組みとなっています
トヨクモの事業の主力は、このストック型収益形態のビジネスモデルであり、視点①で紹介した通り順調に契約社数が伸びていることにより、売上高が伸びる形となっています
解約率も0.6~0.7%程度に抑えられており、信頼性の高い、かつ、収益が大きく崩れにくい事業形態が強みです
視点③広告宣伝費の影響
2022.12期は営業利益が6億円に上方修正され、広告宣伝費は5億円の予算です
ということは単純計算ですが、広告宣伝費を使わなければ2倍近い利益になるとも言えます
もちろん、そんな単純な話ではないですが、要はそのくらい四半期毎では広告費の投入額により、利益の変動が大きいということです
実際に2022.12期第3Qの実績は、営業利益が5.23億円と通期計画に対する進捗率87.2%と順調も、上期までの利益ペースからは鈍化しました
この大きな要因は、広告宣伝費5億円のうち上期合計で25%の1.25億円しか費消されておらず、3Qでは1.9億円の広告宣伝費の追加計上を行ったことによります
これから言えることは、4Q以降も売上高は伸びていくと予想されますが、4Qの広告宣伝費は3Q同水準が予定されており、利益水準は下がると見込まれます
なお、今後は年収を10%引き上げることも決定されており、人件費の増加が見込まれます
現在の株価は割高?割安?
株価は2020年9月の上場以来、大きな流れでは下落を続けきましたが、2022年6月で底を打ったと見られるような動きになってきました
2022.12期の会社計画に対する現在の株価でPER:37倍程度、グロース株だけあって依然高いです
グロース相場も復調してきましたが、米国でのNASDAQの低調な状況など懸念点が多く残っています
この相場状況と株価水準では、決算で少しでも成長鈍化と見なされれば株価は下落します
そのため、次は2023.12期の通期計画がどの程度の増収増益計画が発表されるかが株価のポイントになりそうです
第3Qの発表後も株価は上昇せず、2022.12期中は株価の大きな上昇は期待できないかもしれませんが、中長期的な業績成長は期待できる会社です
また、何か動きがあれば順次更新していきます
他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら
個別株への投資の方法について興味あればこちら
現在の僕の投資の状況に興味があればこちら
会社概要
証券コード/銘柄名:4058/トヨクモ㈱
設立年/上場年/上場市場:2010年/2020年/グロース
業種コード/業種:5250/情報・通信
決算月:12月
事業内容:安否確認サービスとサイボウズkintone連携サービスが主力。元々はサイボウズの100%子会社として設立
売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円
- 22.12(会社予想):1,930(70.5)/600(43.4)/600(42.3)/380(32.5)
- 21.12:1,576(43.9)/418(70.1)/421(79.5)/286(90.9)
- 20.12:1,095(43.9)/246(150.0)/234(138.5)/150(108.0)
- 19.12:761(57.7)/97(▲28.9)/98(▲28.2)/72(▲21.1)
- 18.12:482(77.8)/137(-)/137(2422.6)/91(121.5)
最後に
僕は日本の個別株への投資をメインにしています
また、その中でも成長性の高い株です
そのため比較的リスクは高めなものが中心です
これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています
その中で自分なりに分析して勝負する
時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、
そして、利益を積み上げることができたと思っています
投資はどうしても自己責任を伴うものです
どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです
なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです
ここまで読んでいただいてありがとうございます
一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!
注意事項
※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください
記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです
そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません
また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください