ここではブレインズテクノロジー(以下、ブレインズ)について、
投資の参考にできる情報と視点、将来性、割高/安の判断などを紹介します
各所に記載している数値は2022年9月執筆現在のものです
2022.9.9本決算更新
目次
ココが投資ポイント
ブレインズについての投資ポイントです
- Neuron:社内の膨大な情報・資料から必要なものを検索する企業内検索エンジン
Impulse:製造などの現場で異常をAIで検知する異常検知ソリューション
を主力とした製品の販売・サービス提供が主力 - ライセンスストック:301本、前年同期比27%増と順調に推移
- ストック収益は全体売上高の1/3程度
- 2021.7期までは順調に成長するも、2022.7期は急減速
・3月が期末の大手企業へのライセンス売上が遅延により3Q売上高が低調
・NeuronやImpulseの新バージョンリリースによる負荷が大きく、顧客への訴求不足 - 2022.7期実績:
売上高:934(9.3%)
営業利益:174(10.0%)
純利益:141(28.2%) - 2023.7期計画:
売上高:1,145(22.1%)
営業利益:181(4.5%)
純利益:134(▲5.1%)
これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・
投資ポイントの視点
- 成長市場にポジショニング
- 競争力の源泉
これらの視点を詳しく見ていきます
視点①成長市場にポジショニング
最近書いている記事の視点①に「成長市場にポジショニング」が定番になってきていますが、
成長するために、ポジションニングしている市場自体が成長していることは、最重要ポイントの1つです
ブレインズのポジショニングにするAIシステム市場の成長予測は、IDC Japanが2022年5月に公表したものでは、
2021年:2,722億円(前年比+26.3%)
2022年:3,576億円(前年比+29.0%)
2026年:8,121億円(2021~2026年平均成長率+24.0%)
※出典:IDC Japan「国内AIシステム市場 支出額予測 2021年~2026年」
と予測されており、非常に高い成長が期待される市場です
ブレインズもこのトレンドに乗り、2018.7期~2021.7期までは順調に大幅増収を続けています
視点②競争力の源泉
この点はブレインズが主力で販売・サービス提供する製品を見ていただければと思います
Neuron ES
企業内の様々なところへ格納されている文書などを一括で検索する検索エンジンです
例えば、ファイルサーバや社内ポータルサイト、データベース、クラウドのBOX、Dropboxなど様々なところへ格納されている文書などを一括で検索できるシステムです
大企業レベルの大規模・大容量でも高速な検索が可能な点を特徴としており、300TBを超える文書群からでもセキュリティを担保しつつ、高速な検索が可能となっています
また、1つ1つのデータも開くことなく、プレビュー閲覧が可能で、データを開いて確認する手間を削減、自動的にもインデックスも化もされることで、非常に効率的な検索を可能としています
僕自身も実際に企業勤めもしていましたが、文書や情報検索に非常に時間を要していた記憶があります
この検索エンジンがあれば非常に便利だっただろうなと思います
この製品の優れているところは、現状のシステムやアクセス権限などをそのままに導入・利用が可能な点
料金設定も定額かつリーズナブルな料金設定と紹介されています
Impulse
製造や生産現場などで行われる、複雑かつ膨大なセンサーや音声、画像、動画などのデータの収集・可視化から、障害や故障予兆の検知、不良品の検出、作業工程の確認・分析、などについて、機械学習を用いた異常検知ソリューションです
特徴としては、実際に数多くの現場で活用されることにより常に鍛えられ、バージョンアップしてきたこと、
機械学習のメリットをコストを抑え、容易に導入・運用できると紹介されている点です
僕もプログラマーの端くれとして、機械学習のプログラムを組んだりしますが、はっきりいって現場ごとやその企業の状況に合わせて最適化するということは、本来は非常に難しく、手間のかかることです
これを高性能かつコストメリットを高め、導入・運用のハードルを下げることを実現している点は、高い評価がなされるものです
補足として、予兆検知ソリューション市場規模予測ですが、
デロイトトーマツ ミック経済研究所㈱発刊「予兆検知ソリューション市場の実態と将来展望 2022年度版」では、
2020年度:125億円
2021年度:151億円(前年度比+20.5%)
2026年度:411億円(年平均成長率22.1%)
と予測されており、高い市場成長が期待されています
ブレインズの会社HPでは、Impulseが2021年度版までの過去3年間は連続トップシェアを獲得していることが紹介されており、市場内でも高い競争力、信頼性を評価されていることがわかります
補足:2022.7期業績と2023.7期計画への考察
2022.7期実績は、増収増益を達成するも、当初計画からは大幅な減収減益となっており、厳しい1年だったとも言えます
売上高:934(9.3%)
営業利益:174(10.0%)
純利益:141(28.2%)
2022.6.10に発表された業績計画の下方修正のリリースにもあるように、
顧客となる大手企業の多くが期末である3月が含まれる3Qに、大きく売上を伸ばせるはずが、顧客側での導入への長期化や遅延、
また、ブレインズ側でのNeuronおよびImpulseの新バージョンのリリースなどによる、リソース不足や原価の追加発生などが要因と説明されています
おそらく保守的に発表されたと思われ、通期計画はこの修正計画からは、増収増益の着地となりました
次に、2023.7期の計画ですが、売上は順調に増収を続けるも、営業利益の伸びの鈍化、純利益は減益と厳しい計画となっています
2023.7期計画:
売上高:1,145(22.1%)
営業利益:181(4.5%)
純利益:134(▲5.1%)
会社の説明資料では、「更なる事業拡大に備えた先行投資として、自社ソフトウェア製品強化及び組織体制強化への投資を優先。」※と説明されています
これは前向きな投資とも言えますが、やはり2022.7期の成長鈍化と大幅な業績の下方修正を強いられたことが、大きく響いているようなイメージです
テコ入れしないと継続的な成長が厳しいのではないか、とも見ています
そのため、2023.7期の業績の状況を注視、できれば計画を上振れていくくらいを期待したいところです
既に紹介したように事業・製品は魅力のあるものです
これらの事業拡大と次の製品・サービスの開発に期待します
※出典:ブレインズテクノロジー㈱「2022年7月期 決算説明資料」
現在の株価は割高?割安?
本日は決算発表前の期待買いも入り、10%近く上昇しました
2023.7期計画に対する現在株価でPER:47倍程度です
しかし、発表された計画では利益は伸びていないため、失望売りが先行して、株価は下がるのではないかと見ています
個人的には、今回発表された2023.7期計画は、2022.7期で下方修正を出してしまったことが影響して、保守的に計画を出していると見ています
そのため、今回の発表による下げでうまく底値を拾えれば、株価が反発上昇していく可能性は、十分にあるのではないかと予想しています
ただし、明確な確証があるものではないため、判断はご自身でよく考えたうえで行ってください
また、何か動きがあれば順次更新していきます
他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら
個別株への投資の方法について興味あればこちら
現在の僕の投資の状況に興味があればこちら
会社概要
証券コード/銘柄名:4075/ブレインズテクノロジー㈱
設立年/上場年/上場市場:2008年/2021年/グロース
業種コード/業種:5250/情報通信
決算月:7月
事業内容:企業内検索エンジンNeuronと異常検知ソリューションImpulseの製品販売・サービス提供が主力
売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円
- 23.7(会社予想):1,145(22.1)/181(4.5)/179(3.8)/134(▲5.1)
- 22.7:934(9.3)/174(10.0)/173(21.5)/141(28.2)
- 21.7:854(35.3)/158(127.6)/142(118.8)/110(39.8)
- 20.7:631(46.0)/69(326.2)/65(454.7)/78(97.5)
- 19.7:432(53.3)/16(-)/11(▲32.6)/39(129.3)
- 18.7:282(19.2)/-(-)/17(-)/17(-)
※2021年上場より過去の業績は判明する範囲で記載
最後に
僕は日本の個別株への投資をメインにしています
また、その中でも成長性の高い株です
そのため比較的リスクは高めなものが中心です
これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています
その中で自分なりに分析して勝負する
時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、
そして、利益を積み上げることができたと思っています
投資はどうしても自己責任を伴うものです
どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです
なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです
ここまで読んでいただいてありがとうございます
一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!
注意事項
※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください
記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです
そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません
また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください