日本株/個別銘柄

【投資ポイント】4348 インフォコム

ここでは、インフォコムについて、

投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します

各所に記載している数値は2022年10月現在のものです

2022.10.28第2Q決算更新

目次

ココが投資ポイント

 インフォコムについての投資ポイントです

  1. 帝人の子会社(持ち株比率:55.1%)
  2. 社歴は2023年で40年と長い
  3. 電子コミック「めちゃコミック」を主力事業として運営
  4. ヘルスケアを中心にITサービス事業を育成中
  5. 電子コミック市場は成長市場も鈍化懸念
  6. 海賊版などの影響により2022.3期は減収減益
  7. 2023.3期の業績予想も過去の成長スピードからは鈍化予想
  8. 2023.3期第2Q実績:
    売上高:330.3(1.8%)
    営業利益:37.1((▲25.8%)
    純利益:17.0(▲50.4%)
    単位:億円(前年同期比%)
  9. 2Q発表と同時に減損損失発生などにより、下方修正を発表
  10. 2023.3期計画に対する現在株価のPER:18倍台

これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・

投資ポイントの視点

  1. 電子コミックの成長路線へ回帰
  2. ITサービス事業の成長の可能性

これらについて見ていきます

視点①電子コミックの成長路線へ回帰

これについては主に4点

1つ目は、電子コミックの海賊版をどれだけ対処し、影響を除外していけるかですが、

会社からの情報を得る限りは不透明です

業界全体としても海賊版への対処は積極的に取り組んではいるので、減少傾向にはなるのではないかと見込んでいます

会社業績を見る限りでも、広告宣伝費の効果が大きいと思われるものの、2023.3期から売上高は上昇基調へ戻っています

2つ目は、大ヒット作が生まれるかですが、

これは会社も述べている通り読めるものではなく、

この点はヒット初期をうまく捉えるしかないのかなというネガティブな視点です

3つ目は、広告効果やメディア化ですが、

電子コミック市場自体は成長市場です

しっかりとした新規会員獲得やシェア拡大ができれば成長を期待できます

そのための宣伝やメディア化による効果ですが、会社として積極的な広告投下・メディア化の効果を見極めながらと説明しています

2022.3期第3,4Qの売上高が、95億円、97億円と続いて低迷していたところ、

2023.3期上期実績では、1Q:103億円、2Q:116億円と100億台と上昇基調へ戻せている点は評価できます

4つ目は、会社からの公表されるKPI(重要業績評価指標)の数が少なくなっている点です

人も会社も悪くなっている数字は隠したがる傾向にあります

会社の公表資料からKPIの数値・推移がなくなってきていることは1つの黄色信号と見ています

インフォコムで電子コミック主体のネットビジネス事業のKPIを見てみると

2021.3期の決算資料では、

  • 毎日無料連載配信話数の推移
  • めちゃコミックアプリインストール数累計推移
  • 総会員数の推移

が公表されています

一方、2022.3期決算資料では、

  • めちゃコミックアプリインストール数累計推移

のみとなっています

2020.3期も公表していた特に重要なKPI「総会員数の推移」が2022.3期決算説明で消えているのは、

もしかすると会員数は減少または成長率の大幅な鈍化が起こっている可能性があります

視点②ITサービス事業の成長の可能性

結論としては、「明確な成長期待ポイントはない」です

ヘルスケア(医療・医薬・介護関係)へのITサービスなどを提供しており、製品・サービスも充実はしています

期待をできるポイントもあります

アジア圏でのヘルスケア事業の成長は期待できるため、流れに乗れると面白いかもしれません

また、積極的に出資をしています

出資した企業がうまく成長できれば、ITサービス事業も伸びていきます

しかし、明確にこの点に投資できるというほどの期待できるポイントは現時点ではない、と判断しています

補足的視点:勝手な私見

これは私が感じている身勝手な私見でありますので遠慮なく次へ移ってください

インフォコムの会社概要を調査・分析する中で最も気になったこと

代表取締役を含めた役員の年齢が高い!!

これは社歴の長い企業に多く、年齢が高いこと自体が悪いわけではもちろんありません

ソフトバンクグループの孫さん、ファーストリテイリングの柳井さんなど好例もたくさんあります

しかし、電子コミックなどは特に若者向けサービスであるにもかかわらず、それを率いる役員に比較的若い方がおられないということがネックです

今まで成長をけん引してきたのが、まだ比較的若い取締役の黒田氏かなと推察しています

黒田氏は主力事業である「めちゃコミック」などの電子コミックを運営する子会社「㈱アムタス」の代表取締役も兼任されています

あくまで個人的にはですが、この役員構成も大きな理由の1つでインフォコムへの投資はまだ躊躇しています

補足:2023.3期第2Qの実績考察

2018.3期から直近までの四半期毎の業績推移は、以下の表のとおりです

インフォコム業績推移


これをみると4Qが最も売上高・営業利益が高く、次いで2Q、1,3Qは売上高・営業利益は下がっていることが顕著に出ています

これはITサービス事業の特性によっています

2023.3期のネットビジネス事業は、広告宣伝費の積極的な投下による成長路線への回帰を上期の目標としており、上期の結果は前年同期比で増収となり、この目標は一定程度は達成された結果となりました

ただし、積極的な広告宣伝費の投入もあり、営業利益では前年同期比2/3程度まで落ち込みました

下期も広告効果を見ながら積極的な広告投下の実施が予定されており、下期が大幅な増収となったとしても、利益面は低水準になることが予想されます

ITサービス事業は、成長基調の計画となっていますが、過去からの業績推移は売上が横ばいまたは減収傾向、利益も思うように伸びていません

予想通り2023.3期第2Qも売上・利益の成長率は低く、前年同期比で増収増益も、2Qのみの比較では減収減益となっています

この内訳を2つの事業、電子コミックが主体のネットビジネス事業とITサービス事業に分けてみていくと、

インフォコム業績推移(事業別)


ネットビジネス事業は比較的四半期毎も平準で、めちゃコミックの会員数および利用者数の増減に影響を受ける傾向にあります

2021.3期からコロナ禍による巣ごもり需要で急成長した一方、直近は減少からの回復傾向となっています

ネットビジネス事業の営業利益は大きく落ち込みましたが、会社の計画通り広告宣伝費を大きく投下した結果であり、会社の計画通りくらいには、売上高は持ち直したことは一定の評価ができます

ITサービス事業は4Qで大きく伸びる一方、1Qは利益が大きく落ち込んでいることがわかります

2023.3期第2Qがさきほども書いた通り、2QのみのQonQでは多少なりとも減収減益となっている点は懸念されます

各事業ともに2023.3期下期で、成長基調を描けるかがポイントになります

なお、2Qの発表とともに2023.3期の通期計画の修正も発表されており、

売上高は10億円増加の710億円と、ネットビジネス事業の売上高回復が寄与しています

一方で、ITサービス事業子会社ののれんの減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益が9億円減少の61億円となっており、やはりITサービス事業が以前より厳しくなっている1つの証左と言えるかもしれません

現在の株価は割高?割安?

現在の株価に対する修正された通期計画のPER:18倍台です

ただし、決算発表前の株価であるため、今後の株価変動には注視が必要です

特にネットビジネス事業である「めちゃコミック」の売上高が回復して伸びるが、広告効果によるところも大きく、持続的な成長となるか疑問が残る

また、ITサービス事業は伸び悩んでおり、買収子会社ののれんを減損したことも将来性に懸念が残り、判断が難しいところです

株価は1月以来の安値圏1,854円まで10月に下落しましたがいったんは回復傾向でした

この決算を市場が上下どちらに判断するかは難しいところですが、成長性に疑問が残る限りは、安値拾いに徹することをオススメします

また、何か動きがあれば順次更新していく予定です

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会社概要

証券コード/銘柄名:4348/インフォコム㈱

設立年/上場年/上場市場:1983年/2002年/プライム

業種コード/業種:5250/情報・通信

決算月:3月

事業内容:電子コミック「めちゃコミック」の運営とヘルスケアを中心にITサービスを展開

売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円

  • 23.3(会社予想):71,000(9.9)/10,500(4.0)/10,500(3.0)/6,100(▲11.8)
  • 22.3:64,586(▲5.1)/10,098(▲6.6)/10,196(▲6.8)/6,912(10.1)
  • 21.3:68,055(16.6)/10,812(31.7)/10,936(32.3)/6,276(13.2)
  • 20.3:58,375(12.8)/8,211(19.2)/8,268(20.3)/5,543(15.9)
  • 19.3:51,728(13.0)/6,899(18.2)/6,875(14.9)/4,783(3.1)

最後に

僕は日本の個別株への投資をメインにしています

また、その中でも成長性の高い株です

そのため比較的リスクは高めなものが中心です

これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています

その中で自分なりに分析して勝負する

時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、

そして、利益を積み上げることができたと思っています

投資はどうしても自己責任を伴うものです

どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです

なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです

ここまで読んでいただいてありがとうございます

一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!

注意事項

※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください

記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです

そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません

また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください

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