ここではグローバルセキュリティエキスパート(以下、gsx社)について、
投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します
各所に記載している数値は2022年10月執筆現在のものです
2022.10.31第2Q決算更新
目次
ココが投資ポイント
gsx社についての投資ポイントです
- ビジネスブレイン太田昭和の完全子会社として設立
- サイバーセキュリティの市場規模は、長期的に成長すると予測されている市場にポジショニング
- 同市場で教育、コンサルティング、セキュリティ・ITソリューションの各事業を展開
- 2017年に兼松エレクトロニクス、2020に野村総合研究所と資本提携、その他提携先多数
- 2021年12月にマザーズ市場へ上場
- 長らく業績は低成長、ここ数年のサイバーセキュリティの重要性の高まりから急成長中
- 主に中堅、中小規模のサイバーセキュリティがまだ十分でない会社をメインターゲットとして顧客開拓
- 2022.3期の実績および2023.3期計画は高成長を継続
- 全体取引先に対する新規顧客率:39%、新規顧客数:30%増
- 契約受注高は前期比:47.2%と業績の先行指標も順調
- 2023.3期第2Q実績:
売上高:2,576(+34.4%)
営業利益:351(+65.0%)
純利益:231(+69.0%)
単位:百万円(前年同期比%) - 会社計画に対する現在株価のPER:54倍程度
これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・
投資ポイントの視点
- 成長市場へのポジショニング
- 高い成長性
- 財務・業績の状況
これらの視点を詳しく見ていきます
視点①成長市場へのポジショニング
※ブロードバンドセキュリティの記事を読んでいただいた方は、同じ内容のため視点①は読み飛ばしてください
長期投資で重要になるのが、長期的に成長すると期待される市場へのポジショニングです
サイバーセキュリティ市場は世界では年率10%程度の成長見込みがいくつかの調査会社の資料で公開されています
また、国内では世界ほど成長性はないものの、野村総合研究所から公表されている資料では、法人向けセキュリティ市場規模予測が2027年に約1兆2,771億円、年率2~3%程度の成長予測が示されています※1

国内予測は大きな成長ではないですが、まずは市場が着実に成長することが重要です
さらに追い風となるのは、国内でサイバー攻撃が急増していることです
2021年は前年比で85%増※2、2021年終わり頃からは「Emotetに感染しメール送信に悪用される可能性のある.jpメールアドレス数の新規観測の推移」※3より急増も見られ、セキュリティ対策も急務な状況です
日本はまだセイバーセキュリティ後進国と言われるくらい遅れており、この市場規模の拡大が必須と言える状況です
出典
※1:株式会社野村総合研究所2021年12月17日公表「NEWS RELEASE」
※2:Check Point公表「サイバーセキュリティレポート2022年日本語版」
※3: JPCERT/CC公表(2022.5.27更新)「マルウェアEmotetの感染再拡大に関する注意喚起」
視点②高い成長性
まず直近の業績と今期計画の前期比での伸び率では、
2021.3期実績:売上高:82.4%、営業利益:223.7%
2022.3期実績:売上高:48.9%、営業利益:81.2%
2023.3期計画:売上高:23.0%、営業利益:59.3%
と高成長を続けています
成長率は落ちてきていますが、通常は規模が大きくなるにつれ、成長率はどうしても下がるため、成長性に懸念があるわけではないと言えます
業績の先行指標となる2022.3期の契約受注高は前期比:47.2%
と公表されており、順調にいけば2023.3期の売上高成長率:23.0%を超過して伸びる可能性も十分に示されています
2023.3期第2Q実績でも、売上高2,576百万円(+34.4%)と年間計画を超える伸び率を示しています
また、営業利益の推移を見てもらうと、売上高以上に成長しています
これは比較的規模の小さい成長企業に見られがちな傾向ですが、売上高に対する変動費率が低ければ利益が大きく伸びる仕組みです
利益でも2023.3期第2Q実績は、営業利益351百万円(+65.1%)と年間計画+59.3%を超えるペース、特に第2Qのみでは+75.5%と大きく利益が伸び、下期も年間計画を超える水準で伸びてくると予想されます
四半期毎で見ると、企業のセキュリティ強化への投資は、多くの会社の期末となる3Q(10~12月)や4Q (1~3月)に集中しがちです
このためgsx社の売上高が3,4Qが高くなる傾向で、下期には一層の期待ができます
視点③財務・業績の状況
業績面:
成長性は視点②の通りですので、それ以外として売上高営業利益率を見ていくと、
2019.3期:3.0%
2020.3期:4.6%
2021.3期:8.2%
2022.3期:10.0%
2023.3期第2Q:13.6%
2023.3期(計画):13.0%
と向上を続けています
理由は視点②でも少し書きましたが、会社規模が小さい間は固定費率が高く、利益率が下がりがちです
また、売上高に対する変動費率が低ければ、このように売上高の増加とともに利益率が向上する場合が一般的です
ネットセキュリティ業界の同業他社を見ていくと、15~20%あたりが中心となっており、
gsx社も成長により規模が大きくなれば、数年内には15~20%の利益率水準まで伸びてくると想定しています
なお、2023.3期も第2Qのみでは、15.9%と高い営業利益率となっており、利益率が上昇してきています
これは広告費を前年同期比で減少させたことが、大きく影響していると見られます
財務面:
gsx社の財務内容は資産のほとんどを現預金、売上債権、前払費用を中心とする流動資産が約80%を占めており、有形・無形固定資産は約7%です
負債も借入金などは資産額の10%未満、上記の流動資産で広告宣伝費を除く販管費の約4年分を保持できているなどから、財務面は非常に安定的です
有形・無形の固定資産や棚卸資産などが少額であれば、減損による業績の急落のリスクも低く、リスクヘッジの観点から見ておくべき点です
現在の株価は割高?割安?
2023.3期計画に対する現在株価のPER:54倍程度です
第1Q決算発表後から大きく株価が上昇し、発表前から一時2倍まで上昇しました
現在は少しは下がりましたがまだ高い水準です
成長性には高い期待も株価に示されているようです
今は業績が順調ですが、もしブレーキがかかるような場合は一気に株価が下落するリスクも高くなっているため、注意が必要です
また、何か動きがあれば順次更新していきます
他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら
個別株への投資の方法について興味あればこちら
現在の僕の投資の状況に興味があればこちら
会社概要
証券コード/銘柄名:4417/グローバルセキュリティエキスパート㈱
設立年/上場年/上場市場:1984年/2021年/グロース
業種コード/業種:5250/情報・通信
決算月:3月
事業内容:サイバーセキュリティ教育および同分野に関連するサービス提供。ビジネスブレイン太田昭和の子会社
売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円
- 23.3(会社予想):5,400(23.0)/701(59.3)/700(68.9)/455(74.3)
- 22.3:4,391(48.9)/439(81.2)/414(73.1)/261(55.7)
- 21.3:2,948(82.4)/242(223.7)/239(227.4)/167(333.7)
- 20.3:1,616(24.1)/75(-)/73(97.1)/38(37.9)
- 19.3:1,302(6.6)/-(-)/37(-)/28(-)
※2019.3期の営業利益は会社公表値がないため表示なし
最後に
僕は日本の個別株への投資をメインにしています
また、その中でも成長性の高い株です
そのため比較的リスクは高めなものが中心です
これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています
その中で自分なりに分析して勝負する
時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、
そして、利益を積み上げることができたと思っています
投資はどうしても自己責任を伴うものです
どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです
なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです
ここまで読んでいただいてありがとうございます
一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!
注意事項
※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください
記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです
そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません
また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください