ここでは、楽天グループ(以下、楽天)について、
投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します
2022.11.11第3Q決算更新
目次
ココが投資ポイント
楽天についての投資ポイントです
- 2021.12期
モバイル事業:
売上高2,000億円超(+31.9%)
モバイルを除く主力2事業:
営業利益1,800億円利益程度と試算 - 2022.12期第3Q実績:
グループ全体:
売上高:1兆3,640億円(+13.7%)と過去最高、損失は大幅拡大
モバイル事業:
売上高2,542億円(+56.7%)と成長加速、3,801億円の損失と拡大 - 楽天銀行:2022年7月上場申請
楽天証券HD:上場申請予定、みずほ証券へ20%を800億円で売却
※みずほGとの関係構築により、資金調達懸念は後退 - モバイル以外の事業基盤は盤石かつ安定成長
2021.12期
流通総額:約27兆円(+20.5%)
国内EC流通総額:5兆円
2022.12期第3Q時点
EC流通総額:グローバル+25.7%
国内+13.1%
クレジットカード:2,751万枚(+15.1%)
銀行口座:1,303万(+14.5%)
証券口座:836万(+25.3%)
その他主な各KPIともに伸びる - モバイルは2019年からの本格始動から3年で急速な契約獲得数を実現
- 2022.12期第1Q決算発表時に値上げ発表で契約者数減少継続
モバイル契約数:
568万(2022.3末)→ 518万(2022.9末)
11月から純増へ転じ、下げ止まりとなってきている - 現在の時価総額が1兆円強は事業規模からするとかなり低い
上記の数値関連は楽天公表資料を参照
これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・
投資ポイントの視点
ズバリ!モバイルが成功してモバイルが黒字化するかどうか!!
もうこの1点集中での投資です!
楽天銀行および楽天証券の上場も、もちろん株価には影響出ると思いますが、大きくはないとの予想です
まずは下記の会社概要にある過去の業績を見てください
現在はモバイルが大きく足を引っ張り、損失が大きくなっています
そのため、グループ全体の黒字化ももちろん1つのポイントです
ただ、それではまだモバイルが足を引っ張っている状況に変わりありません
目指すのはモバイルが黒字化することです
大きな視点がしぼれると達成できるかどうかです
その前に補完要素として、他の事業の状況を整理しておきます
モバイルの黒字化は、ある一定数以上の契約数獲得のための時間と資金力が必要です
そのため、黒字化を達成するためには支える資金力・事業基盤が必須です
楽天はモバイルを除けば、主にインターネットサービスとフィンテックの2事業を展開しています
インターネットサービスは楽天市場などのECと広告が収益源です
フィンテックはカード、銀行、証券、保険に楽天Edy/Payなどのペイメントが中心です
この2事業で営業利益相当は1,800億円規模と大きな利益を出し、かつ、そのほとんどが成長を続けています
直近でも、2022.12期第3Qの主要KPIのほとんどは伸びており、2事業ともに投資事業の特殊要因を除けば前年同期比で、増収増益となっています
モバイルへの投資のすべてをまかなえているわけではないですが、基盤は安定し楽天モバイルの成長とともに、2事業も今以上への成長が期待できます
視点の根拠
さきほど書いた投資ポイントの視点について、
2021.12期はモバイル契約数を急増させるために格安プラン+大還元キャンペーンを実施、大規模な還元は終了したため、2022.12期はこの費用は大幅に削減されます
モバイルの契約数が短期間で568万(2022.3末)まで成長しました
2022年7月からは1Gの無料プランが終了、980円のプランとなり、モバイル事業収益も成長すると見込まれます
この発表により契約数518万(2022.9末)と50万ほどは減り、決して小さくはない数字ですが、11月からは純増に転じたとの説明があり、今後の増加に期待したいところです
この契約数のすべてが課金ユーザーとなっており、今後は契約数が再増加へ転じる可能性が高いことを考えれば、2022.12期第4Q決算以降は収益改善にかなり期待が持てます
次に4Gと5Gのネットワーク人口カバーへの先行投資があります
これが最も重い投資となりますが、現在4Gは人口カバー率97.9%まで達成
品質はまだ十分ではない点がありますが、プラチナバンドを取得するための法改正や行政側からの調整などもあり、まだ先にはなりますが改善への兆しが見えてきており、この点も今後に期待ができます
KDDIへのローミング負担も2022年4月から自社回線への切り替えを行い、2022.12期第2Qからはモバイルに関する先行投資とともにランニングコストが縮小され、業績は改善される予定です
ただし、第3Qは第2Qと比較して、モバイル事業の損失額の減少幅が小さく、ローミング負担は軽減しつつも基地局などの先行投資の減価償却費が重く、思っているほどの費用削減にはなっていません
会社も2022.12期1Qまでが赤字のピークとしており、これから徐々に改善してくることは見込まれます
さらに、各携帯キャリアを使っていると付随するペイメントやECなどを使うことが多く、楽天モバイルの契約数が増えれば他の2事業も間違いなく成長が加速します
すでに他の2事業にも効果が出ており、2事業ともに順調な成長を続けています
この2事業は、同業のZHDなどと比べても成長性や事業基盤の面では上回っており、当面は成長を期待できると見ています
今はまだ業績的には我慢の時ではありますが、
早ければ
- 2022.12期中に業績改善する
- 2023.12期でグループ全体で単月黒字化
- 2024.12期ではモバイル事業単独でも単月黒字化
を予想しています
今から投資をすれば、2,3年で数倍の株価への成長を期待しています
現在の株価は割高?割安?
では、次に気になる現在の株価について見ていきます
まず見てもらいたいのが、次の会社概要に記載の2018.12期の利益は約1,400億円です
現在の時価総額が約1兆1,000億円ですので、ざっくりPERは8倍を下回ります
そんな前の業績と今の時価総額を比較したって・・・
いえいえ、そんなことはありません!
なぜなら現在もモバイルを除けば、同水準以上の利益を稼ぎ出しています
ということはモバイル事業の損益が0くらいまでなれば、
もし、今の株価で株を買ったとして、現在の株価に対するPERは8倍を下回る
さらにモバイルが稼ぎ始めると、PERはそれ以上に下がるということです
大手のソフトバンクやKDDIの今のPERは約14倍と比べると明らかに低い
そのため、長期的には株価が上昇する可能性が高い
さらにモバイルの成長により他の2事業の成長も加速すると考えれば、
収益力・成長性は高いと言え、結果株価は2社のPER以上に高くなると予想しています
ただし、モバイルが利益を出せるようになるまで成長できればということが前提です
やはり、この点からも楽天への投資はモバイルの成功の可否がポイントになります
また、何か動きがあれば順次更新していく予定です
他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら
個別株への投資の方法について興味あればこちら
現在の僕の投資の状況に興味があればこちら
会社概要
証券コード/銘柄名:4755/楽天グループ㈱
設立年/上場年/上場市場:1999年/2000年/プライム
業種コード/業種:9050/サービス業
決算月:12月
事業内容:国内外へのEC、フィンテック、デジタルコンテンツ、通信などのサービスを展開
5年の売上高/営業利益/税引前当期利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円
- 22.12(会社予想):公表なし
- 21.12:1,681,757(15.5)/▲194,726(-)/▲212,630(-)/▲133,828(-)
- 20.12:1,455,538(15.2)/▲93,849(-)/▲151,016(-)/▲114,199(-)
- 19.12:1,263,932(14.7)/72,745(▲57.3)/▲44,558(-)/▲31,888(-)
- 18.12:1,101,480(16.6)/170,425(14.1)/165,423(19.8)/142,282(28.7)
最後に
僕は日本の個別株への投資をメインにしています
また、その中でも成長性の高い株です
そのため比較的リスクは高めなものが中心です
これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています
その中で自分なりに分析して勝負する
時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、
そして、利益を積み上げることができたと思っています
投資はどうしても自己責任を伴うものです
どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです
もし、失敗してもそれが経験になり将来につながる投資になればと思います
ここまで読んでいただいてありがとうございます
一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!
注意事項
※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください
記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです
そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません
また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください