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【投資ポイント】6050 イー・ガーディアン

ここではイー・ガーディアン(以下、eg社)について、

投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します

各所に記載している数値は2022年11月執筆現在のものです

2022.11.7本決算更新

目次

ココが投資ポイント

eg社についての投資ポイントです

  1. 総合ネットセキュリティ企業としての地位を確立
  2. 今後成長を期待されるネットセキュリティ市場にポジショニング
  3. 2022.9期まで8年連続増収営業増益2ケタ成長を継続中
  4. 売上に対する利益の伸びが大きく、売上高営業利益率20%達成
  5. 2022.9期実績:
    売上高:11,752(18.3%)
    営業利益:2,272(15.4%)
    純利益:1,689(55.5%)
    売上高営業利益率19.3%と下落傾向
  6. 2023.9期計画:
    売上高:12,870(9.5%)
    営業利益:2,460(8.2%)
    純利益:1,710(1.2%)
    2ケタ成長から脱落となる計画

これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・

投資ポイントの視点:成長市場での優位性のあるポジショニング

  • 成長市場での優位性のあるポジショニング

eg社はこれに尽きるため、この視点を見ていきます

eg社がどのような市場に位置しているかですが、

  • サイバーセキュリティ
  • アド/広告の監視・審査
  • ソーシャルサポート(監視とカスタマーサポート)
  • ゲームサポート

主にこの4市場/セグメントになります

各市場とその中でのeg社のポジショニングについて見ていきます

市場①サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティはランサムウェアなど日々のニュースで取り上げられるくらい話題になっており、サイバー攻撃による被害も総額および件数ともに拡大傾向です

少し古いですが2020年は被害総額が220億円とも推計されています

そのため、対策となるサイバーセキュリティ市場も拡大しています

IDC Japanから公表されている国内のサイバーセキュリティ市場規模では、

2020年8,616億円 → 2025年1兆230億円

特にサイバーセキュリティ関連のソフトウェア市場だけで見ると、

2025年に5,000億円規模と2020年から年平均10%程度の市場成長が予測されています

その中で、eg社の提供する「SITEGUARD」というWAFソフトウェアが国内導入数100万サイト超でNo.1の地位を誇っています

WAF:Web Application Farewallの略。ウェブアプリケーションの脆弱性を悪用する攻撃を検出・防御し、ウェブサイトを保護するためのセキュリティ対策

WAFの形式の違いはありますが、

上場企業である㈱サイバーセキュリティクラウドが提供するクラウド型WAF「攻撃遮断くん」が15,000サイト以上と公表されており、導入サイト数の規模では大きな差があります

eg社の「SITEGUARD」は官公庁含めて幅広い分野で導入されており、実績としても申し分ありません

eg社のサイバーセキュリティ事業は2022.9期売上高:6.6億円(前年同期比+3.2%)とまだ小さい規模ですが、成長していることが実績からもわかります

ただし、今後に対して、WAFに関してソフトウェア型(「SITEGUARD」など)とクラウド型(「攻撃遮断くん」など)のシェア関係などどのように競合していくは懸念が残る事項です

市場②アド/広告の監視・検査

ネット広告はここ最近では、米国企業のアルファベット(google)やメタ(Facebook)などの大手企業で不調とネガティブな面も出てきています

国内でも、ヤフーなどを傘下に持つZホールディングスの広告収入の伸びが大きく鈍化しているなど、景気後退懸念が顕著に出てきています

一方で、この分野は広告の伸びから遅れて伸びてくるものでもあるため、成長を続けています

eg会社のアドプロセス事業は2022.9期売上高:14.2億円(前年同期比+25.2%)、過去の推移を見ても急成長はなくとも安定的に成長してきています

特に強みとしているのは消費者庁や気象庁などの省庁案件の受注による信頼性とノウハウです

このあたりは会社とサービスの質それぞれに信頼と実績がなければ受注できないため、優位性は大きいと見ています

市場③ソーシャルサポート(監視とカスタマーサポート)

ソーシャルサポートには、不正取引や画像・動画・テキストの監視や本人確認や問い合わせ対応などのカスタマーサポートが含まれます

この市場は多岐にもわたるため一概に成長市場と示しにくい点があります

これらが必要となる市場がEコマースやDX、自動運転、メタバース、NFT…と挙げればキリがないくらいに今後の成長を期待される市場です

サービス提供が可能な市場が伸びればこの市場も成長する可能性が高いです

その中でeg社は元々人中心に監視などのサービス提供を行っていたものから積極的にAI活用を推進し、人×AIのハイブリッドで成長と高収益を実現できています

特に成長著しいのがキャッシュレスへの対応やEコマース、次に自動運転やメタバースなど成長が期待できる市場で着実に実績を積み増せている点は強みです

2022.9期売上高:67.0億円(前年同期比+27.0%と主力事業でありながら最も成長している事業でもあり、eg社が伸び盛りである大きな要因です

市場④ゲームサポート

現在のゲーム市場自体に大きな波があり、成長市場としても言えない現況です

その市場の中でサポート事業として展開していくことも成長を難しくする要因でもあります

実際にeg社のゲームサポート事業のみ、2022.9期売上高:20.8億円(前年同期比▲3.3%)と減収となっています

四半期毎の推移では下げ止まりになってきていますが、2020年頃より減少傾向です

ゲームサポート事業は大きく崩れずに現在の水準程度を維持し、他の3事業の成長に期待することが妥当な投資目線と判断します

補足:2022.9期実績と2023.9期計画の考察

2022.9期も売上および営業利益ともに、堅調に成長しました

売上高:11,752(18.3%)
営業利益:2,272(15.4%)
純利益:1,689(55.5%)

一方で、4QのみをQonQで前期4Qと比較をしてみると、増収となるも営業減益となっており、成長鈍化が懸念されます

影響が大きかった点が、原価率が上昇傾向にあり、4Qのみでは69%まで上昇しました

また、販管費率も同様に上昇傾向となっており、4Qのみでは、13.9%まで上昇しています

これらにより売上高営業利益率も4Qのみでは17.1%、2022.9期通期でも19.3%と20%を下回る結果となってしまいました

四半期毎の業績推移:

1Q→2Q→3Q→4Q
売上高:2,753→2,986→2,961→3,052
営業利益:540→642→568→522
純利益:383→582→378→346

これを見ると、2Qが良すぎたという見方もできますが、明らかに利益が落ちてきていることがわかります

次に2023.9期計画を見ていきます

売上高:12,870(9.5%)
営業利益:2,460(8.2%)
純利益:1,710(1.2%)

保守的に公表している可能性も十分にありますが、8期連続続いていた売上及び営業利益の2ケタ成長から脱落する計画となっています

営業利益率も19.1%と20%を下回る水準の計画です

現在のところは、決算説明資料の公表がなされていないため、計画の詳細はわかりませんが、市場の成長による増収は期待できるものの、先行き不透明感や人件費やその他物価高によるコスト増に伴う利益率の悪化が原因とみています

現在の株価は割高?割安

ここまでの内容を総合して、eg社の成長鈍化の傾向が顕著になってきた印象です

一時は高値を付けていましたが、3Q決算発表が市場期待に応えられず下落、10月からは持ち直してきていましたが、2022.9期決算発表後は再度下落となる可能性が高いです

そのため、相場全体の流れもありますが、下がり切ったところを狙いたいところです

個人的な目線では、最低でも9月終わり頃の安値水準である2,800円は切るところまでは待ちたいところです

また、何か動きがあれば順次更新していきます

他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら

個別株への投資の方法について興味あればこちら

現在の僕の投資の状況に興味があればこちら

会社概要

証券コード/銘柄名:6050/イー・ガーディアン㈱

設立年/上場年/上場市場:1998年/2010年/プライム

業種コード/業種:9050/サービス

決算月:9月

事業内容:総合ネットセキュリティ企業。人とAIの両面からサイバーセキュリティやデバッグ、カスタマーサポートや監視などの運用面までワンストップでのサービス提供が強み

売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円

  • 23.9(会社予想):12,870(9.5)/2,460(8.2)/2,510(8.5)/1,710(1.2)
  • 22.9:11,752(18.3)/2,272(15.4)/2,314(13.4)/1,689(55.5)
  • 21.9:9,933(27.6)/1,968(53.2)/2,040(53.8)/1,086(22.2)
  • 20.9:7,785(19.1)/1,285(10.1)/1,326(10.4)/889(7.9)
  • 19.9:6,535(10.7)/1,167(12.4)/1,201(14.5)/840(14.2)
  • 18.9:5,902(16.5)/1,039(28.1)/1,049(24.8)/736(28.5)

最後に

僕は日本の個別株への投資をメインにしています

また、その中でも成長性の高い株です

そのため比較的リスクは高めなものが中心です

これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています

その中で自分なりに分析して勝負する

時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、

そして、利益を積み上げることができたと思っています

投資はどうしても自己責任を伴うものです

どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです

なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです

ここまで読んでいただいてありがとうございます

一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!

注意事項

※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください

記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです

そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません

また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください

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