ここではアスタリスクについて、
投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します
各所に記載している数値は2022年10月執筆現在のものです
2022.10.14決算更新済
目次
ココが投資ポイント
アスタリスクについての投資ポイントです
- バーコードリーダーや画像認識などの「モノ認識」と「モバイル」を融合してシステム開発やソフト・ハードウェアの開発及び販売
- 「モバイル」との一体型の製品・システムが特徴で差別化ポイント
- 上場前はベンチャーキャピタルからの出資を多数集める(東京都、SMFG、MUFG、SBIなど)
- 海外は米国、欧州、中国に拠点があり、事業拡大中
- 2022.8期の受注は、2021.8期の米国大手飲料メーカーからの大型受注を除けば、前期比で増加
- ファーストリテーリングとのセルフレジ機能に関する和解
- 売上に対する費用割合が低く、売上の伸び以上に利益が伸びる
- 2022.8期の売上高営業利益率は16.6%にまで上昇
- 企業のIRがわかりやすく丁寧、かつ、社長がユニーク
- 2023.8期会社計画に対するPER26倍程度
- 2022.8期本決算実績:
売上高:2,407(+34.3%)
営業利益:400(76.6%)
当期利益:322(85.5%) - 2023.8期計画:
売上高:2,906(+20.7%)
営業利益:443(10.9%)
当期利益:314(▲2.5%)
これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・
投資ポイントの視点
- 差別化された製品&サービス
- フロー → ストック型への収益移行
- 成長分野にポジショニング
これらの視点を詳しく見ていきます
視点①差別化された製品&サービス
アスタリスクの強みはツールに「モバイル」を使用している点です
現代では「モバイル」は誰もが持つ必須のアイテムとなっており、モバイル1つに多機能を集約することが可能です
アスタリスクのバーコードリーダーやその他認識機能を「モバイル」一体型として搭載できるようにすることで、他の専用端末を必要とすることなく利用できます
仕事をしていると会社携帯(「モバイル」)の貸与がなされていることが多いですよね
よくある専用端末としては、配達の読み取りの際などに使用されているのを見かけると思います
「モバイル」端末にすることで、
- 専用端末と「モバイル」の2台持ちが不要
- 独自に専用端末機の開発・更新も不要(システムの開発や更新は必要)
- 専用端末機のように、用途を限定せずに広範に利用可能
- 他の機能との連携や集約化が可能
などのメリットをもたらします
専用端末はゼロベースからの開発と独自の更新となりますが、「モバイル」端末自体は大手メーカーによる開発・更新と開発にかかるコスト面も抑えられていると見ています
補足情報として、
2021.12.24にセルフレジ機能の特許に関して、ファーストリテーリングとの和解に関するリリースが公表されました
多額の費用および和解金が損益に計上されておらず、アスタリスク側で得られたものはあまりなかったかもしれません
しかし、特許および技術が証明された1つの証でもあり、今後同様の技術を使用する際には使用料というストック収入の発生も見込まれます
この和解がアスタリスクの今後の業績にプラスになっていくと期待も含めてですが予想しています
視点②フロー → ストック型への収益移行
アスタリスクのビジネスモデルは、入口ではハードおよびソフトウェア商品、または、システム開発の受託等によるサービスの提供です
これらは単発で完結するフロー型収益です
ここから保守またはシステム等の利用料によるストック型収益が積み上げ式に増加していくことが見込まれます
フロー型収益からストック型収益への移行がうまく形成されており、これが視点①とともにアスタリスクの今後を支える成長エンジンであり、大きなメリットと言えます
私はビジネスモデルの大事な要因の1つに「ストック型ビジネス」モデルを挙げています
これは成長とともに安定的な収益を生み出します
解約率が低い、または、代替が難しいなどの理由があれば景気後退期でもストック収益部分は簡単には崩れません
視点③成長分野にポジショニング
アスタリスクが事業展開する分野はいわゆる「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です
業務効率化や省力化など企業の抱える課題の解決、改善に貢献できる事業内容です
まだこの分野は当面伸びると考えられ、その分競合も多くはなりますが、既に書いたアスタリスクとしての差別化要因が現在のところはうまく機能しています
多くの分野、企業で採用されるようになれば成長が期待できます
足元の2022.8期の契約受注の状況ですが、
アスタリスク公表の月次受注実績の資料(前期比較)では、上期は2022年2月のみ2021年2月に大型契約の受注があったため大幅に減少しましたが、他の月は順調に前期比増、月ごとの増減は大きいですが、下期は前期比増で、受注状況は堅調です
受注状況は業績の先行指標でもあるため、今後の業績に期待したいところです
補足:2022.8期本決算実績と2023.8期計画の考察
発表された2022.8期本決算の実績は以下の通りです(単位:百万円)
売上高:2,407(+34.3%)
営業利益:400(76.6%)
当期利益:322(85.5%)
4Qで持ち直したことにより、売上高は計画未達も、2022.8期も大幅な増収増益を維持しました
Q毎の業績推移を見てみると、
1Q→2Q→3Q→4Q
売上高:732→641→448→585
営業利益:80→198→▲11→133
当期利益:62→113→23→123
2022.8期は上期に売上がが偏っていたことがわかります
これは米国大手飲料メーカーからの大型受注に対する納品のタイミングにより、売上が大きく変動したことも起因しました
2023.8期は、先行指標である受注の状況が2022.8期は中盤に低迷するも、6~8月に前年同月比で大きく伸びたことにより、2023.8期は下期に売上が伸びてくることが予定されています
実際に2023.8期の会社計画も、上期は大幅な減収減益を想定する一方で、下期に大きく挽回し、伸び率は下がるも増収増益の計画です
今後の受注の状況によるところもありますが、現在までの受注から2023.8期の会社計画程度の達成可能性は比較的高いのではないかと見ています
ただし、今後はインフレや円高による原価高騰、景気後退による受注減などの可能性が高くなると予想されます
会社の発表情報のみではなく、日ごろの情報収集が重要になります
現在の株価は割高?割安?
2023.8期会社計画に対するPERは26倍程度とまだ比較的高い水準です
2022.8期本決算の発表にて、2023.8期計画値が低く、株価はまだ下がると想定されます
書いてきたように今後の懸念事項もありますが、事業内容はユニークな成長期待ができるものです
株価が下がり切ったところでうまく拾えれば、将来的には期待できる銘柄だと見ています
また、何か動きがあれば順次更新していきます
他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら
個別株への投資の方法について興味あればこちら
現在の僕の投資の状況に興味があればこちら
会社概要
証券コード/銘柄名:6522/㈱アスタリスク
設立年/上場年/上場市場:2006年/2021年/グロース
業種コード/業種:3650/電気機器
決算月:8月
事業内容:認識技術とモバイルの融合によるソフト・ハードウェアやシステムの開発および販売、受託を通じたDXの推進を軸に事業展開
売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円
- 23.8(会社予想):2,906(20.7)/443(10.9)/43(▲6.3)/314(▲2.5)
- 22.8:2,407(34.3)/400(76.6)/473(98.3)/322(85.5)
- 21.8:1,792(28.2)/226(102.0)/238(135.3)/173(152.1)
- 20.8:1,398(22.1)/112(70.5)/101(85.1)/68(▲4.2)
- 19.8:1,144(▲16.0)/-(-)/54(▲73.0)/71(▲59.8)
- 18.8:1,362(113.5)/-(-)/202(-)/179(-)※2018.8期は単体の決算数値
最後に
僕は日本の個別株への投資をメインにしています
また、その中でも成長性の高い株です
そのため比較的リスクは高めなものが中心です
これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています
その中で自分なりに分析して勝負する
時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、
そして、利益を積み上げることができたと思っています
投資はどうしても自己責任を伴うものです
どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです
なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです
ここまで読んでいただいてありがとうございます
一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!
注意事項
※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください
記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです
そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません
また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください