日本株/個別銘柄

【投資ポイント】7097 さくらさくプラス

ここではさくらさくプラスについて、

投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します

各所に記載している数値は2022年12月執筆現在のものです

2022.12.13第1Q決算更新

目次

ココが投資ポイント

さくらさくプラスについての投資ポイントです

  1. 保育園の運営が主体、主力事業に関連する不動産開発やシステム開発、進学塾運営に事業展開
  2. 保育園は現在86施設を運営、内85施設が認可保育所
  3. 主力事業以外の事業も収益化を目指し、
  4. グローバルキッズCOMPANYとの経営統合を発表も解消
  5. 2017年設立以来、4期連続増収増益も2022.7期で大幅減益となる
  6. 2023.7期第1Q実績:
    売上高:3,277(16.7%)
    営業利益:▲30(-)
    純利益:2(▲97.5%)
    単位:百万円(前年同期比)
  7. 2023.7期計画:
    売上高:13,689(+14.2%)
    営業利益:335(-)
    経常利益:441(▲62.0%)
    当期利益:282(▲22.8%)

これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・

投資ポイントの視点

  1. 保育所運営の収益形態
  2. 2022.7期の決算と2023.7期の業績予想

これらの視点を詳しく見ていきます

視点①保育所運営の収益形態

運営する施設のほとんどが認可保育所のため、運営収入のほとんどは自治体からの補助金となり、利用者から直接受け取る収入は、一部のみとなっています

補助金形態などは制度として決定されており、1施設当り、1園児の収益を独自に伸ばすことは難しく、収益を伸ばすには1施設当りの園児を可能な限り増やす、運営する施設を増やすという限られた選択肢しかありません

次に保育所開設につて、開設当初は0~2歳児が中心、その後年度更新毎に3歳児以降の年長利用者が進級とともに増加、5年目あたりからフル稼働になると会社説明にて紹介されています

開設後5年未満の施設も多く、フル稼働になっていない施設が高い割合を占めるため、施設数の増加だけではなく、稼働率の点からも当面は堅調な成長は期待できると見ています

なお、施設開設時にも補助金が出ることになっており、毎期4月に開設する保育所が多いため、3Qの営業外に大きな補助金収入とそれに対する開設費用が計上されます

開設時の大まかなイメージでは、

補助金収入:150百万円前後/施設
開設費用:50百万前後/施設

となっています

制度変更や昨今のコスト増により変動はしますが、施設開設だけをみれば、

1施設当たり1億円程度の利益が出る計算となります

ただし、法人税等の税金負担部分にも影響が出るため、当期利益水準では2億円程度から数十%の利益は減少すると予想されます

そのため、さくらさくプラスの事業規模では、開設施設数が多い年の経常利益は伸びる傾向にあります

視点②2022.7期決算と2023.7期業績予想

2022.7期決算

2022.7期実績:
売上高:11,992(19.9%)
営業利益:21(▲95.5%)
純利益:365(▲61.8%)

売上高は順調に伸張するも大幅な減益となりました

要因についてですが、

営業利益:

  • 低年齢児の入所率が計画を下回った一方で、保育サービス水準維持のために計画通りに増員
  • 物価高騰などによる施設運営費の増加により、売上原価が売上に対して大きく増加したこと
  • 予定していた不動産売却が売上として計上できず、特別利益に利益のみの純額計上となったこと

などと会社公表資料にて説明されています

ただし、これは今後の業績を見ていくうえで、非常に厳しい結果だったと言わざるを得ません

上記のうち、不動産売却の件は、本来理由にはできません

いくら不動産事業も展開しているとはいえ、売却を売上とするならば、当初から棚卸資産として保有しておくべきで、業績作りのための保有目的の変更を画策したと言われても仕方ない手法です

そして本業の保育事業でも利益を出せていないことが、今後にとって厳しい目を見ざるを得ない結果です

IRへもヒアリングし、業界の現状が大きく変わらない限り、厳しい事業環境が続くと見られます

現時点で本業で利益を出せていないことは、今後も利益が出にくい事業構造だと見ておいたほうがいいかもしれません

営業利益以下

  • 開所に関する利益(= 補助金収入 - 開業準備費)
    2021.7期:1,253百万円
    2022.7期:1,147百万円
    と開所数の減少とともに、利益▲106百万円
  • 不動産売却益:218百万円
  • 減損処理:▲538百万円(固定資産およびのれん)

上記が主な損益の原因で、特に減損処理が大きなマイナスとなっています

減損処理の要因は、一部の保育所の固定資産と買収したVAMOSにかかるのれんを、収益性低下の面から評価を下げたことによります

このことからも収益性の低下が、将来的にも発生する可能性が高いことがうかがえます

なお、個人的な意見とはなりますが、決算説明資料での決算ハイライトの減益の説明には、不誠実に感じる表現が多々あり、減益の本当の原因をあいまいにしているという印象が否めません

上記は、厳しい内容になったかもしれませんが、現状の業績を踏まえたうえでの一意見として、参考にしていただければと思います

2023.7期業績計画

2023.7期の業績計画は、

売上高:13,689(+14.2%)
営業利益:335(-)
経常利益:441(▲62.0%)
当期利益:282(▲22.8%)
開設施設数:3施設(▲8施設)

※上記カッコ内は2022.7期の当初計画比

となっています

売上高と営業利益は施設数と園児数の増加により増収増益見込み、経常利益は視点①の説明の通り、開設施設数の減少による2期連続の減益を見込んでいます

保育所運営事業は以前よりも先行きが厳しくなっている点は2022.7期の結果からも否めず、2023.7期の業績は上記計画を下回る懸念も残りますが、入所率が回復してきており、今後は無理のない成長スピードを持続していくことを期待したいです

補足:2023.7期第1Q実績

2023.7期第1Q実績は、

売上高:3,277(16.7%)
営業利益:▲30(-)
純利益:2(▲97.5%)

と増収継続も営業損失の結果となりました

人件費や光熱費、給食費などの高騰による施設運営費の増加が重しとなっています

一方で低年齢児の入所率が97.0%まだ回復し、高稼働となっています

フル稼働になる開所後5年経過した施設は全体の過半数を超え、高年齢児の児童数も増えてきていることから、今後の運営収入は伸びることが予想され、中長期での収益性は改善してくると見込まれます

すでに説明してきた通り、保育所運営事業はマイナス面が多く成長性に乏しいことは否めませんが、ゆっくりでも着実な安定成長を前提に投資を検討することはありかもしれません

現在の株価は割高?割安?

保育事業は、

  • 公的制度に大きな影響を受け、事業拡大以外に独自の努力で収益を伸ばすことが難しいこと
  • 少子化にある日本では、長期的成長を見込めないこと
  • 待機児童の解消なども首都圏では進んでおり、今後は新規の認可保育所の数は縮小が予想されること

などが要因で株価は低迷傾向にあると思われます

短期・長期計画ともに保育所運営事業自体は厳しくなっており、今後は周辺事業をどれだけ成長されるかにかかっています

株価は上場以来ほぼ右肩下がりの状態です

現在は700円前後で下げ止まりを見せてはいますが、上昇要因がありません

業績もまだ上向くタイミングではないため、しばらくは様子見期間が続く見込みです

また、何か動きがあれば順次更新していきます

他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら

個別株への投資の方法について興味あればこちら

現在の僕の投資の状況に興味があればこちら

会社概要

証券コード/銘柄名:7097/㈱さくらさくプラス

設立年/上場年/上場市場:2017年(母体は2009年設立)/2020年/グロース

業種コード/業種:9050/サービス

決算月:7月

事業内容:首都圏を中心に保育園運営が主力。保育所運営に関連する不動産開発や進学塾運営、システム開発なども手掛ける

売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円

  • 23.7(会社予想):13,689(14.2)/335(-)/441(▲62.0)/282(▲28.2)
  • 22.7:11,992(19.9)/21(▲95.5)/1,160(▲29.3)/365(▲61.8)
  • 21.7:10,004(31.1)/464(92.8)/1,641(9.8)/956(2.4)
  • 20.7:7,629(48.0)/241(430.4)/1,494(7.1)/933(33.9)
  • 19.7:5,154(58.9)/45(400.0)/1,395(86.4)/697(90.2)
  • 18.7:3,244(73..8)/9(-)/749(158.3)/366(1,080.6)

最後に

僕は日本の個別株への投資をメインにしています

また、その中でも成長性の高い株です

そのため比較的リスクは高めなものが中心です

これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています

その中で自分なりに分析して勝負する

時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、

そして、利益を積み上げることができたと思っています

投資はどうしても自己責任を伴うものです

どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです

なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです

ここまで読んでいただいてありがとうございます

一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!

注意事項

※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください

記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです

そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません

また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください

-日本株/個別銘柄
-,