ここではインターアクションについて、
投資の参考にできる情報と視点、将来性、割高/安の判断などを紹介します
各所に記載している数値は2022年10月執筆現在のものです
2022.10.12決算第1Q決算更新
目次
ココが投資ポイント
インターアクションについての投資ポイントです
- イメージセンサ製造に関する検査装置・デバイスが主力
会社全体の6,7割程度の売上高を占める - 他に環境関連装置や精密除振装置、歯車試験機などを展開
- イメージセンサ市場は成長市場
- 2022.5期は半導体不足やスマホ需要の停滞、サプライチェーンの混乱が悪影響で減収
- 3期連続の減収で厳しい状況も、2023.5期は増収最高益を計画と強気
- 各事業ともに受注高は増加基調、受注残も過去最高
- 2023.5期1Qも大口受注は獲得できており、着実に納品・売上計上ができているかがポイント
これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・
投資ポイントの視点
- 成長市場で確かな地位を確立
- 不調な業績と好調な受注
- 今後の懸念
これらの視点を詳しく見ていきます
視点①成長市場で確かな地位を確立
イメージセンサ市場は、各調査会社等から公表されている資料の多くでは、
今後の2025~2030年までの成長率は8~10%程度と高い成長率が予想されています
このイメージセンサはスマホやタブレット、PC、カメラなど主にカメラを搭載する機器に使用され、利用用途は業種を拡大しています
市場規模でも直近2021年は、200億ドルを超えたと試算されており、伸び続けている市場です
しかし、足元では、スマホやPC需要の停滞が懸念されており、この辺りは視点③へ書いていきます
イメージセンサ以外に事業を展開する、環境エネルギー事業(排ガス処理や脱臭の装置)やインダストリー4.0推進事業(精密除振装置、歯車試験機)、新規事業としてFA画像処理装置や歯車欠陥検査装置、レーザー加工機などを扱っています
それぞれの事業の受注状況は前年比でいずれも伸びており、これら事業でも成長が期待されます
これらの市場優位性を基盤として、市場内で高いシェアを誇っているのがインターアクションです
ハイエンドイメージセンサ向けの光源装置では約60%と過半を占めており、今後も2023.5期中に70%近くまで伸ばすという、意欲的な計画が示されています
また、新たに投入した瞳モジュールも市場へ浸透してきており、光源装置同様にシェア拡大を目標とした計画となっています
視点②不調な業績と好調な受注
成長市場での確固たる地位を築きながらも、直近は業績が下降傾向でした
2019.5期までは順調な成長を続けていましたが、2020.5期から2022.5期までは3期連続で減収となってしまっています
2020年以降はコロナ禍での一時的な設備投資の中止や延期、米中の貿易摩擦、半導体などの資源不足による市場全体の遅延などの影響を受けました
成長市場であろうと、毎年安定的に成長するわけではありません
需給の関係や地政学リスクやその他多くのリスクにさらされながら事業をしているため、短期的な低迷はある程度想定せざるを得ません
一方で、受注は2022.5期は2021.5期を上回り、売上も大きく上回って推移しています
そのため、2022.5期の受注残高は過去最高、2023.5期の売上計画の60%近くを獲得できています
また、2023.5期計画の売上高は76億円ですが、こちらも中期計画100億円から不安定な市況を考慮して、潜在需要の3/4は見込まず保守的な計画と説明しています
視点③今後の懸念
視点②から2023.5期の足元の需要は好調のように見えますが、その好調な需要にも停滞懸念が出てきています
インターアクションの光源装置や瞳モジュールなどの主力事業は、イメージセンサ市場の好不調に影響を受けます
イメージセンサ市場の中心はスマホやタブレット、PC、デジタルカメラなどです
PCはすでにコロナ禍による巣ごもり、リモート需要による反動減で出荷台数は減少傾向です
スマホも同様に出荷台数は減少傾向です
特に大きく減速しているのが中国市場で、出荷台数は10%超の減少となっています
現在も中国経済の減速は顕著になってきており、欧州を中心としたインフレなども相まり、短期的には需要の停滞懸念が大きくなっています
補足:2023.5期第1Q決算の考察
2023.5期の通期計画は、
売上高:7,623(26.7%)
営業利益:2,200(94.7%)
純利益:1,459(91.8%)
単位:百万円(前年同期比:%)
と前期比では高い伸びとなっています
一方で2023.5期1Qは、
売上高:1,907(10.9%)
営業利益:476(10.8%)
純利益:351(22.6%)
と伸び率は大きく通期計画を下回るも、売上高でほぼ1/4の進捗、各段階利益は1/4に届かずも、これまでの流れを見る限りまずまずの決算だったと判断しています
特に明るい材料としては、新規事業の位置づけでもある環境エネルギー事業は売上高が+49.7%の伸び、インダストリー4.0推進事業の売上高は+57.2%とそれぞれ大きく成長した点です
主力のIoT関連事業はどうしても需給や経済状況に大きく左右されてしまうため、今後1,2年は厳しい状況に直面するかもしれません
その際に上記の2事業がカバーできるようなリスクバランスの取れた事業展開ができれば、成長のみならず安定性の面でも魅力が増してきます
懸念点としては、2022.5期が受注高が売上高を上回る受注先行の状態で、将来への業績期待ができる状況でした
今回2023.5期1Qは売上高1,907百万円に対して、受注高は1,585百万円と売上高を下回り、今後に不安が残る結果でもあります
受注残は4,188百万円とまだ高水準を維持できていますが、短期的には景気鈍化・後退による需要の低迷も予想され、この辺りは一時的な業績の低迷の可能性も認識しておく必要があります
現在の株価は割高?割安?
2023.5期計画に対する現在株価のPER:10倍台と高くはありません
これは半導体やスマホ、PCなどの需要の停滞により、人気がなく株価が低迷していると見られます
2023.5期1Qの決算発表により寄りで上げるもその後は下げてしまいました
ただまだ発表後すぐの段階では、どちらへ株価が動くかも判断が難しい状況です
ある程度方向性が見えてくるまで、待つほうが良いかもしれません
投資する際は、この辺りの状況を十分に検討したうえで行ってください
また、何か動きがあれば順次更新していきます
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個別株への投資の方法について興味あればこちら
現在の僕の投資の状況に興味があればこちら
会社概要
証券コード/銘柄名:7725/㈱インターアクション
設立年/上場年/上場市場:1992年/2001年/プライム
業種コード/業種:3750/精密機器
決算月:5月
事業内容:イメージセンサ製造の検査用装置が主力。他に環境関連装置や精密除振装置、歯車試験機などを展開
売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円
- 23.5(会社予想):7,623(26.7)/2,200(94.7)/2,224(85.9)/1,459(91.8)
- 22.5:6,017(▲9.2)/1,130(▲35.5)/1,196(▲31.6)/761(▲34.3)
- 21.5:6,627(▲6.4)/1,751(12.6)/1,748(13.1)/1,159(15.4)
- 20.5:7,083(▲11.3)/1,555(▲21.4)/1,545(▲20.5)/1,004(▲27.5)
- 19.5:7,986(32.9)/1,980(96.8)/1,943(96.7)/1,386(101.9)
最後に
僕は日本の個別株への投資をメインにしています
また、その中でも成長性の高い株です
そのため比較的リスクは高めなものが中心です
これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています
その中で自分なりに分析して勝負する
時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、
そして、利益を積み上げることができたと思っています
投資はどうしても自己責任を伴うものです
どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです
なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです
ここまで読んでいただいてありがとうございます
一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!
注意事項
※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください
記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです
そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません
また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください