ここではスリー・ディー・マトリックス(以下、3DM)について、
投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します
各所に記載している数値は2022年12月執筆現在のものです
2022.12.13第2Q決算更新
本記事を読んでいただく前に、医薬品/創薬の企業に関する投資のポイントにご興味がある方は、こちらも参考にしてください

目次
ココが投資ポイント
3DMについての投資ポイントです
- 「自己組織化ペプチド」技術が事業コア
- 同技術は3DM社がグローバル独占ライセンスを保有
- 同技術の優位性:
「高い安全性」
「高い操作性」
「高い拡張性」 - 新型コロナウイルスまん延の影響を大きく受けるも、高い成長率を継続
事業収益は直近3年で5倍近くまで成長 - 2023.4期業績計画:
事業収益:3,652百万円(142.4%)
大幅な増収を計画
※会社の業績計画には過大感があり、事業収益の大幅な未達が毎期目立つ - 地域別の事業の状況:
- オーストラリア:通期黒字化達成、収益拡大局面
欧州:単月黒字化達成、通期黒字化を目標
日本:事業浸透局面
米国:事業拡大局面
それぞれの地域で実績ができてきたタイミング - 2024.4期黒字化達成を目標に掲げる(当初計画より1年遅れ)
- 2023.4期第2Q実績:
事業収益:984(24.2%)
営業利益:▲1,632(-)
純利益:▲380(-)
単位:百万円(前年同期比%)
これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・
投資ポイントの視点
- 「自己組織化ペプチド」技術の優位性
- 事業の成長性
- 黒字化の時期
これらの視点を詳しく見ていきます
視点①「自己組織化ペプチド」技術の優位性
同技術自体の優位性は、ここで説明するより3DMのHPを見てもらったほうが早いです
なので省きます(笑)
視点①からズッコケみたいな書き出しですが、要点をまとめます
主な地域別の状況:
欧州およびCEマーク※適用国:止血材、後出血予防材:販売中
米国:癒着防止材:販売中
止血材、後出血予防材、放射線性直腸炎:販売承認済、販売準備中
日本:止血材:販売中
粘膜隆起材:販売承認済
※CEマーク:このマークの適用国は、EUでの承認が同国でも同様に承認されるなど、領域内での安全性と貿易・流通の自由を担保するもの
と各地域ですでに販売開始している、または、承認まで得られている製品が複数あります
販売を開始している製品は、順調に販売数量を伸ばしています
会社説明では、マーケット規模も今の3DMの販売規模と比較して、十分に大きな市場があると説明しています
これらが3DMの現在の事業収益の急成長を支えています
なお、2023.4期2Qの地域別事業収益の内訳は以下の通りです
欧州:491(+39.1%)
豪州:216(▲12.9%)
日本:164
米国:101
その他:10
伸び率が計画比では大きく下回っていますが、欧州の順調な伸びとともに、日本および米国が大きく伸び始めており、下期が楽しみなところです
現在まだ製造販売承認には至っていないが、将来的には至る可能性の高いものも複数存在しており、将来的な更なる成長の可能性も十分に秘めています
視点②事業の成長性
いまだ赤字続きではあるものの、3年で売上高が5倍近くまで伸びている会社は、そうそうないです
特に一時的な要因ではなく、自社製品の販売数量が着実に伸びているという、地に足付いた形での急成長です
あくまで過去ですが直近までの実績は、成長性として申し分ないです
また、2023.4期も黒字化達成は2024.4期に見送ったものの、売上高:+140%超の伸び率を計画しており、強気の計画となっています
…最近は毎期計画未達のため、これほどまでは伸びないかもしれない、くらいの意識がちょうどいいかもしれません
実際の事業としての成長性ですが、欧州およぼCEマーク適用国を中心に米国や日本など、既にグローバル展開ができています
それぞれで販売中の製品が存在しており、世界の主要地域を押さえることができていることは、大きいと見ています
視点①での紹介の通り、承認申請を得て、これから順次製造販売となるものも複数控えています
地域別にはオーストラリアなど、すでに事業が黒字化している地域もあります
また、収益性の点でも2021年5月から新たな製造方法の承認取得や製造販売の拡大などにより、製造原価率の低減に取り組み、2021.4期は70%水準であったものが、2022.4期4Qおよび2023.4期2Qは40%台まで順調に低減できており、当面はまだ下がると見込めます
これだけ事実を並べただけでも、今後の成長性と黒字化可能性を感じてもらえるのではないでしょうか
視点③黒字化の時期
医薬品/創薬の企業に関して、黒字化するタイミングは非常に重要です
その理由などは冒頭で紹介した「業界分析 医薬品/創薬」に書いているので、こちらを参考にしてください
黒字化できるかどうかは、視点②の事業の成長性から判断しています
会社公表では、元々2023.4期に黒字化の達成を計画していました
新型コロナウイルスまん延の影響などにより、事業の成長計画が遅れており、2024.4期に黒字化の時期を修正しています
会社の毎期の計画には過大感があるのは否めませんが、近いうちに黒字化する可能性は非常に高く、黒字化した際には、株価はそれなりの上昇を見せると見ています
そのため、黒字化しそうな時期が見えてくる前に投資しておくことが大切です
なぜなら株価は期待が先行するため、目途が付く頃には上がり始めてしまっているためです
大事なことは、他の投資家の一歩先をいく投資ができるかどうかです
補足:2023.4期第2Qの考察
2023.4期第2Qの実績は、
2023.4期第2Q実績:
事業収益:984(24.2%)
営業利益:▲1,632(-)
純利益:▲380(-)
単位:百万円(前年同期比%)
となりました
1Qが前期4QとのQonQでは、減収となっていましたが、2Qは四半期別では最高の事業収益となり、伸び率も前年同期比で50%を超えています
ただし、年間計画の142.4%の増収率からみれば、まだかなり低い増収率と言わざるを得ません
足を引っ張ったのが、オーストラリアにおける製品販売で、約13%程度の減収(前年同期比)の結果でした
3DMはほぼ毎期当初計画が未達であり、2023.4期の売上高36.5億円も、第2Qの進捗率では、27%程度しかなく、後半に伸びるとはいえ、2023.4期も計画未達の可能性が高いと言えます
ただし、3DMの事業の成長性や魅力が陰るものではなく、新型コロナウイルスなど外部環境の影響を受けやすいこともあるため、長い目を見ていくことが重要です
現在の株価は割高?割安?
現時点では、株価310円程度が割高/安かは判断できず、3DMの将来性・成長性をどう見るかです
ただし、本記事の更新時点が2023.4期第2Q発表日のため、明日以降株価が変動すると予想されるため、株価が落ち着いたタイミングで割高/安の検討をしたうえで、インされるかどうか判断されることをオススメします
ただし、念押ししておきますが、一般の銘柄と比較してリスクは高いことは間違いありません
また、何か動きがあれば順次更新していきます
他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら
個別株への投資の方法について興味あればこちら
現在の僕の投資の状況に興味があればこちら
会社概要
証券コード/銘柄名:7777/㈱スリー・ディー・マトリックス
設立年/上場年/上場市場:2004年/2011年/グロース
業種コード/業種:3750/精密機器
決算月:4月
事業内容:バイオベンチャー。自己組織化ペプチドをコア技術とした優位性のある製品を主力に開発、欧州中心に世界へ販売を展開
事業収益/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円
- ※23.4(会社予想):3,652(142.4)/▲1,694(-)/▲1,664(-)/▲2,009(-)
- 22.4:1,506(47.0)/▲2,736(-)/▲1,807(-)/▲1,894(-)
- 21.4:1,024(52.3)/▲2,648(-)/▲1,900(-)/▲2,012(-)
- 20.4:672(104.5)/▲2,536(-)/▲2,954(-)/▲3,096(-)
- 19.4:328(43.8)/▲2,267(-)/▲2,426(-)/▲2,554(-)
最後に
僕は日本の個別株への投資をメインにしています
また、その中でも成長性の高い株です
そのため比較的リスクは高めなものが中心です
これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています
その中で自分なりに分析して勝負する
時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、
そして、利益を積み上げることができたと思っています
投資はどうしても自己責任を伴うものです
どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです
なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです
ここまで読んでいただいてありがとうございます
一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!
注意事項
※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください
記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです
そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません
また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください