日本株/個別銘柄

【投資ポイント】8411 みずほフィナンシャルグループ

ここではみずほフィナンシャルグループ(以下、みずほ)について、

投資の参考にできる情報と視点を紹介します

みずほについては高配当銘柄として、割高/割安の視点ではなく、配当利回り維持、または増配できるかどうかという観点からまとめています

各所に記載している数値は2022年7月執筆現在のものです

2022.7.29決算更新済

目次

高配当銘柄としての見解

現在の株価1,583.5円に対する2023.3期の配当金80円

配当利回5.1%

高配当銘柄の中では比較的高い水準です

ここで大事になることは、この水準を将来的にも維持できるかどうか、さらに増配が可能かという点です

2023.3期当期利益計画は5,400億円、配当金80円で配当性向37.6%と公表されています

配当性向:
親会社株主に帰属する当期純利益(要するにみずほの株主として得ることのできる利益)に対する配当総額の割合

これを他の2メガバンクと同様の配当性向水準40%、配当金80円で見てみると、当期利益5,076億円程度になります

10年間の業績を見ると、この当期利益水準を超えたのは7期あります

大きく業績を落としたのが2019.3期の1期のみであり、この利益水準は比較的難しくはなく、安定的に保つことができる利益水準だと言えます

将来的な増益や配当性向を40%へ上昇させることにより増配も期待できるかもしれません

高配当銘柄として長期保有される際は、短期的な株価に左右されず、持株の配当利回りとみずほの獲得利益のみに注目する

1株当たりの株価が安く買いやすい面もあるため、「株価が安いな」と配当利回りが高くなる水準になれば買い増す、というスタンスをオススメします

※注意点

本業部分は堅調である一方で、マレリホールディングスへの貸出額が発表時は3,885億円有しており、再建支援のために全額取立不能による、最大同額の費用・損失計上の可能性があります

計上に迫られた期のみ大きく利益を毀損し、短期的に配当額が落ち込む可能性はあります

ココが投資ポイント

みずほについての投資ポイントです

  1. 銀行、信託、証券が中心となりグループを形成
  2. 2021年に度重なるシステムトラブルで話題、現在も業務改善計画を実行中
  3. みずほ銀行関連が過半を稼ぐ収益の中心
  4. 直近3年で収益力は回復してきている
  5. 銀行株では経費率と与信費用はそれぞれ重要指標
  6. 経費率は60%前半台までコスト改善(対業務粗利益の割合)
  7. 直近3年の与信費用が大きく増加しており懸念、2022.3期2,351億円
  8. 有価証券の含み益4,000億円程度
  9. 次の成長・収益の柱の構築や更なるコスト削減に期待
  10. 2023.3期第1Q実績:
    経常収益:12,350(67.5%)
    業務純益:2,373(14.7%)
    純利益:1,592(▲36.4%)
  11. PER7倍台とSMFGと同水準

これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・

投資ポイントの視点

  1. 3メガの中では見劣りが否めない
  2. 3行統合によるメリットが生かし切れていない

これらの視点を順に見ていきます

視点①3メガの中では見劣りが否めない

高配当銘柄としての投資先として、3メガバンクを比較してみると、

MUFG:三菱UFJフィナンシャル・グループ
SMFG:三井住友フィナンシャルグループ

  • 買いやすさ(1単元当たりの株価の低さ):MUFG
  • 利回り/割安さ:SMFG
  • 収益力:MUFG
  • 効率性(経費率が低い):SMFG
  • 含み益の多さ:MUFG、SMFG
  • プラスα:MUFG(モルガン・スタンレーの収益力によるMUFG業績への寄与)

と、大まかに投資する場合に重要だと考える項目をリストアップし、優位にあるメガバンクを併記してみました

これら項目以外でもみずほ特有のプラス評価できる項目が見つかりませんでした

3メガバンクで3番手と言われてしまう理由でもあると予想します

もちろん、項目の選び方や優位性などには主観もあるため、参考程度に見てください

視点②3行統合によるメリットが生かし切れていない

2021年からみずほ銀行での度重なるシステムトラブルが続き、金融庁からも業務改善命令が発令され、現在も業務改善計画に基づき、改善に取り組んでいる最中です

歴史をたどれば、3行(第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行)の合併がなされて、そこからみずほ銀行とみずほコーポレート銀行へ分割、2013年に再度合併してみずほ銀行となっています

信託および証券も主にこの3行の系列の信託や証券が合併して成り立ってきています

そのため、銀行や信託、証券ともに旧3行の影響が色濃く残る体制が長く続いてきました

元々の各行システムの使用を長く継続したこともあり、3行合併後も新システムが長らく構築されず、

システム含めたグループ内での融和・調和が遅れてきた原因が,、今でも影響を与えているのではないかとまで邪推してしまいます

以前からもシステムトラブルを繰り返してきていることは投資先としては、懸念すべき点です

一方で、経費削減などは進んできているため、経費率は下がってきて高収益体質に近づいてきています

これからはグループ全体でのシナジーやスケールメリットを生かした、MUFGやSMFGにない特徴ある経営や業績向上に期待したいところです

補足:2023.3期第1Q実績の考察

業務粗利益が10%の伸びにより、5,931億円と本業は好調です

本業の内訳では、グローバル部門が増加分のほとんどを占めており、海外での貸出残高の増加と金利は前期水準を維持していることが貢献しました

また、非資金取引でも米国中心に海外が伸張したことも寄与しています

グループ主要3社で見ていくと、

みずほ銀行のみ大きく収益を伸ばした一方、みずほ証券、みずほ信託は減益となっており、銀行だけでグループを支えているような状況がより色濃くなっている状況です

本業は堅調でしたが、純利益は大きく減益となってしまっており、要因として、

マレリホールディングスのグループ会社への貸出3,885億円、その一部を引当金計上により、与信費用が600億円超の増加

さらに2022.3期第1Qと比較して、法人税等の税効果が小さく、上記の与信費用も節税効果がないことから、税金負担が500億円超の増加

以上により、純利益は900億円超の減少という結果となりました

今後の業績に関しては、本業部分は比較的堅調を予測できる一方、マレリホールディングスの状況によっては、与信費用が最大3,000億円超追加で必要になるため、爆弾を抱えているような状況です

また、2022.3期末から2023.3期第1Qの間で、有価証券の含み益は4,000億円と3,000億円程度減少しました

一部は売却による部分もありますが、大半は株価や債券価格の下落によります

投資を検討する際には、上記の点も十分に加味したうえで行う必要があります

また、何か動きがあれば順次更新していきます

他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら

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会社概要

証券コード/銘柄名:8411/㈱みずほフィナンシャルグループ

設立年/上場年/上場市場:2003年/2003年/プライム

業種コード/業種:7050/銀行

決算月:3月

事業内容:銀行、信託、証券を中心に国内外に展開する総合金融グループ。3メガバンクの一角

経常収益/業務純益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:億円

  • 23.3(会社予想):-(-)/8,600(0.8)/7,700(37.5)/5,400(1.7)
  • 22.3:39,630(23.1)/8,512(6.7)/5,598(4.3)/5,304(12.6)
  • 21.3:32,180(▲19.2)/7,977(20.5)/5,363(▲15.9)/4,710(5.0)
  • 20.3:39,867(1.5)/6,619(68.3)/6,378(3.8)/4,485(364.5)
  • 19.3:39,256(10.2)/3,933(▲14.1)/6,141(▲21.5)/965(▲83.2)

最後に

僕は日本の個別株への投資をメインにしています

また、その中でも成長性の高い株です

そのため比較的リスクは高めなものが中心です

これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています

その中で自分なりに分析して勝負する

時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、

そして、利益を積み上げることができたと思っています

投資はどうしても自己責任を伴うものです

どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです

なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです

ここまで読んでいただいてありがとうございます

一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!

注意事項

※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください

記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです

そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません

また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください

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