日本株/個別銘柄

【投資ポイント】8473 SBIホールディングス

ここでは、SBIホールディングス(以下、SBI)について、

投資の参考にできる情報と視点、割高/割安かどうかを紹介します

2022年11月執筆現在の状況を基に記事にしています

2022.11.14第2Q決算更新

目次

ココが投資ポイント

SBIについての投資ポイントです

  1. 証券業:SBI証券はネット証券で口座数、預り資産残高、株式委託売買代金はトップ
  2. 銀行業:住信SBIネット銀行と新生銀行を主体として展開、多数の地方銀行と連携
  3. 保険業:SBIインシュアランスグループが主体として生保、損保を中心に幅広く扱う
  4. AM業:国内外での多数の投資先のIPO及びMAなどの実績があり、現在も未上場企業へ多数投資、業績拡大中
  5. 上場子/関連会社:新生銀行、モーニングスター、SBIインシュアランスグループ、SBIリーシングサービス/ALBERT
  6. 新生銀行の業績上昇に伴うシナジーによるSBI全体の業績上昇
  7. 資本提携地方銀行:約50行
  8. 住信SBIネット銀行は2022年10月に上場再申請
  9. SMFGとの資本業務提携(SMFG側からの出資)
  10. 海外展開の拡大と成長
  11. 懸念:ロシアでの事業があり直近の損失計上の可能性
  12. メタバースやフィンテックなどの次世代プラットフォームへ積極的な投資・参加
  13. 成長性とPERのバランスの良さ
  14. 配当利回り5.7%の高さ
  15. 2023.3期第Q実績:
    収益:4,702(+40.7)
    税前利益:526(▲51.8)
    純利益:79(▲89.7)
    単位:億円(前年同期比%)

AM:アセットマネジメント、ベンチャーキャピタル(未公開企業への投資)や資産運用サービスが中心

これらの投資のポイントから注目すべき視点として・・・

投資ポイントの視点

投資ポイントでは色々書きましたが大きなポイントとして3つ

  • 成長性とPERのバランスの良さと高配当利回り
  • 新生銀行のSBIグループ内外とのシナジー・連携を伴う成長期待
  • 証券業を中心に銀行業・保険業・AM業の堅調な成長を期待

SBIは新生銀行の株式を2021年12月17日、2022年10月14~21日で追加取得し、50.05%の議決権を保有することから子会社化しています

視点①成長性とPERのバランスの良さと高配当利回り

新生銀行の子会社化による一時的な多額の利益を除いたとしても、

SBIが公表する資料ベースで2022.3期は順調に過去最高収益・利益を更新しています

現在の株価に対する2022.3期業績(負ののれん発生益除く)がPER5倍程度と上場企業の中でもかなり割安な水準と言えます

さらに配当利回りという点でも、2023.3期は150円/株と公表されており、

現在の株価に対する配当利回り5.7%程度の高利回りも同時に享受できます

過去を見ても毎期増収増益ではないですが、比較的堅調に成長できていると見れます

視点②新生銀行のSBIグループ内外とのシナジー・連携を伴う成長期待

新生銀行の成長として、成長というより実際は今までが低迷しすぎていたというところが事実です

ここに各地銀やグループ企業なども成長させてきたSBIのノウハウやSBIグループ内外とのシナジーを見込めば、

かなりの高い確率で当面の間成長を続けると予想しています

あとはSBIが新生銀行を子会社化して中心に据え、現在資本提携含めた提携地方銀行が約50行と拡大中で、

言い続けている第4のメガバンク構想は着々と進んでおり、+αとして面白味もありです

視点③証券業を中心に銀行業・保険業・AM業の堅調な成長を期待

SBI証券は揺るぎないほどの地位と収益性を保持しており、その他住信SBIネット銀行、SBIインシュアランスグループ、SBIインベストメントなどの業績が堅調です

2021.3期の大幅な伸びも証券業とAM業が好調だったことが主な要因です

当面はこの証券業とAM業だけでも成長期待ができます

新生銀行を含めた積極的な投資を支える事業基盤が強固と言えます

また、銀行や証券口座数が多く成長していること、また、銀行業であれば個人・法人含めて顧客が多いこと、保険業の保険契約もしかりですが、

僕がよく言っているサブスク的要素を持って成長している企業は、安定性と成長性をバランスよく兼ね備える投資先として重要な要素です

SBIだと口座数や融資等の銀行顧客、保険契約などは毎月の安定収入を生んでくれるポイントになります

これがストック型収益の強みです

これらは成長の基盤になるとともに経済停滞局面での業績の落ち込みが少ないことも意味します

補足的な視点

投資としては上記の3点で判断していくのが妥当です

ただ、+αを知っておくと、もしそれが花咲いたときに株価上昇が加速できます

そのために他の点も補足的に乗せておきます

補足①:住信SBIネット銀行の上場

住信SBIネット銀行の上場は延期になっていましたが、2022年10月7日に上場申請が再びなされました

これによって上場による利益は期待できます

なお、2022年10月にSBIリーシングサービスは上場済、

2022年9月にレオス・キャピタルワークスが上場申請をしております

補足②:海外展開の拡大・成長

次の将来的な成長は海外展開・投資がどこまで成長してくるかです

多くの海外の子会社・投資先で業績改善または黒字化が達成から成長基調への転換までのところまでは来ており、アジア圏はまだ投資対象として魅力的な地域として見ています

中長期的には成長を期待でき、将来的な安定基盤の1つに育つと見ています

なお、まだ先ではありますがスタートしたアフリカでの事業展開も個人的には興味深いです

補足③:ロシア事業の継続性と損失計上の可能性

この点は懸念点として挙げます

ロシアのウクライナ侵攻に対する日本を含めた世界各国からの経済制裁や現地法人での事業停止や撤退はご存じのところかと思います

SBIもSBI Bankという名称で子会社の現地法人があります

また、他にも一部ロシアへの投資があります

しかし、金額的には数十億程度とSBI全体からすれば小さく、損失計上の可能性はありますが、与える影響は軽微と想定できます

補足④:日本の利上げの可能性

もしかしらという点では、

日本も利上げに方針転換をするならば、金融業の業績は間違いなく上向きます

これだけ日本以外の各国が利上げに傾いている現状からの予測として、この点も将来的には期待できるかもしれません

これはSBIの決算説明でも触れられていた部分です

補足⑤:新たなプラットフォームの主導

SBIはベンチャーキャピタルとして新興企業への投資は従来から積極的です

特にフィンテックやメタバース関連などの先端技術については多くの新興企業へ投資をしています

また、日本主導のメタバースとして「デジタル空間経済連盟」を2022年4月15日に設立しました

これには野村HD、ミンカブ・ジ・インフォノイド、ソフトバンク、日本マイクロソフト、電通、凸版印刷など名だたる企業が参加しています

まだ設立されたばかりでうまくいくかどうかは不明ですが、

各企業の技術と知恵、アイディアを集結してぜひとも世界を席巻するようなものを期待します

補足:2023.3期第2Q実績の考察

2023.3期第2Q実績は、

収益:4,702(+40.7)
税前利益:526(▲51.8)
純利益:79(▲89.7)
単位:億円(前年同期比%)

※純利益は親会社の所有者に帰属する利益

と収益は新生銀行を子会社化したことなどにより大きく伸びるも、利益については大幅減益と厳しい結果でした

大きな要因としては2点

ベトナムのTPバンク等の株価下落により314億円の評価損の計上
暗号資産事業における価格下落等により128億円の損失

が大きく足を引っ張る形となったようです

事業別に大まかに見ていくと、

金融サービス事業:

収益:4,031(+81.3%)
税前利益:696(+18.0%)

単位:百万円(前年同期比)以下同

SBI証券およびSBI貯蓄銀行(韓国)が減収減益となった一方、新生銀行および住信SBIネット銀行、SBIインシュアランスグループは増収増益

内容を見る限り全体的には堅調な成長を続けており、現在は市況の厳しさの影響もありますが、将来的な成長性は高いと見ています

資産運用事業:

収益:83(+3.0%)
税前利益:13(▲31.3%)

収益は増収も税前利益は減益となりました

減益は債券、株式など運用資産の多くが市況悪化により価格を下げたことが要因となっており、致し方ない点でもあります

運用資産自体は全体として、市況悪化の中でも伸びており、長期目線では特に問題ないとの認識です

投資事業:

収益:298(▲63.1%)
税前利益:47(▲91.9%)

市況悪化が続いているため、投資先のうち海外上場銘柄の株価下落が大きく、ベトナムのTPバンク等の評価損が約314億円と大きく足を引っ張る形となりました

それでも黒字を確保しており、それ以上に未上場銘柄の評価益の寄与が大きいことが要因です

上場と未上場では、評価方法に違いがあるため、投資事業全体としての評価は難しいですが、まだ当面は世界的に株式市場が厳しい状況が続くと見込まれるため、

投資事業が低調となる点は致し方なしです

暗号資産事業:

収益:205(+31.8%)
税前利益:▲127(損失拡大▲137)

収益は増収も損失拡大となってしまいました

今年は暗号資産にとっても価格変動が下落主体の厳しい市況であったため、実績も厳しいものとなっています

特に直近のFTXに関する件は、暗号資産市場を揺るがしていますが、今後はより大きなインパクトへ発展する可能性があり、本事業については大きな懸念点です

マイニングも当面は低調に推移すると予想されます

下期以降も損失が拡大する可能性も十分にあると想定しています

非金融事業:

収益:143(41.3%)
税前利益:5(黒字化+65)

収益・利益ともに伸び、増収黒字化による増益と順調に推移しました

ただし、2Qだけを見ると再度赤字となっており、まだ楽観視できない段階です

まだ非金融事業の中の各事業は規模が小さいため、業績への寄与は小さく不安定的ではありますが、将来に向けては有望と見ています

以上から、個人的判断ではありますが、業績数値ほど事業の状態は悪くなく、市況悪化によるマイナス要因さえ改善すれば、3Q以降での大幅な利益改善も見込める想定です

現在の株価は割高?割安?

成長を期待できる企業で現在のPERが5倍程度の企業はまずないです

これはそのまま「割安」だと言えるということです

もちろん、現在は投資事業と暗号資産事業の不振による業績が低迷しており、リスクは伴います

2022.3期決算発表で増配公表があり150円/株、現在の株価に対して利回り5.7%となっています

2023.3期も中間期は前期同様に30円/株が発表されましたが、本決算時の120円/株が実施されるかは業績を見る限りは不透明です

現在の状況では、割安だからといっても将来的に株価が上昇するかはわからないところが株式投資の難しいところですが・・・

また、何か動きがあれば順次更新していく予定です

他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら

個別株への投資の方法について興味あればこちら

現在の僕の投資の状況に興味があればこちら

会社概要

証券コード/銘柄名:8473/SBIホールディングス㈱

設立年/上場年/上場市場:1999年/2000年/プライム

業種コード/業種:7100/証券・商品先物取引業

決算月:3月

事業内容:証券、銀行、保険などの金融及びベンチャー投資などのAM業を主に展開

5年の収益/営業利益/税引前当期利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円

  • 23.3:会社公表なし
  • 22.3:763,618(41.1)/-(-)/412,724(194.0)/366,854(352.4)
  • 21.3:541,145(47.0)/136,725(112.2)/140,380(113.3)/81,098(116.3)
  • 20.3:368,055(4.7)/64,432(▲21.5)/65,819(▲20.7)/37,487(▲28.7)
  • 19.3:351,411(4.3)/82,082(12.7)/83,037(15.6)/52,548(12.6)
  • 18.3:337,017(28.7)/72,863(66.5)/71,810(66.5)/46,684(43.8)

最後に

僕は日本の個別株への投資をメインにしています

また、その中でも成長性の高い株です

そのため比較的リスクは高めなものが中心です

これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています

その中で自分なりに分析して勝負する

時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、

そして、利益を積み上げることができたと思っています

投資はどうしても自己責任を伴うものです

どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資すべきです

なぜなら失敗してもそれが経験になり将来の投資につながるからです

ここまで読んでいただいてありがとうございます

一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!

注意事項

※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください

記載の内容はあくまでも僕個人の見解と情報収集によるものです

そのため、必ずしも正確、適切な情報を保証しません

また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください

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