ここでは、アイキューブドシステムズ(以下、ics社)について、
投資の参考にできる情報とポイント、割高/割安について紹介します
この記事は2022年11月執筆時点のものです
2022.11.9決算発表更新
目次
ココが投資ポイント
ics社についての投資ポイントです
- 月額報酬のストック収益型で安定的成長
- 売上に対する利益の伸びが高い(売上に対する変動費率が低く、固定費が小さい)
- MDM市場は当面拡大することが期待される
- その市場の中で10年以上シェアNo.1を継続中(2011~2021年)
- 2023.6期1Q実績:
売上高:657(9.7%)
営業利益:165(▲28.9%)
純利益:112(▲30.4%) - 2023.6期業績計画に対する現在株価でPER20倍程度
MDM:Mobile Device Management(モバイルデバイス管理)
これらの投資ポイントから注目すべき視点として・・・
投資ポイントの視点
- 3つの重要なビジネス基盤
- 業績の成長鈍化の懸念
これらについて、具体的にみていきます
視点①3つの重要なビジネス基盤
ics社のビジネスは、視点の1つ目の3点を基盤としていることが強みです
これは今後も安定した成長を継続する可能性が高く、大崩れしにくいと言えます
根拠として、1つ目は、
ストック型ビジネス
ストック型のビジネスは解約率が低ければ、すでにある一定以上の月額売上が確保されており、
新規顧客を獲得すればするほど、この最低ラインの売上高が底上げされます
また、季節的要因や突発的・地政学的要因で売上が下がる可能性・その下落率が低い
これはics社だけではなく、ストック型ビジネスを展開する企業の共通点で、個人的にストック型ビジネスをこの視点から重視して投資をしています
2つ目、
「売上高に対して変動費率が低く、固定費が小さい」 = 「売上の伸び以上に利益が伸びる」
これは規模が拡大すればするほど、高い収益を得ることができることを示しています
実績としても、以下の会社概要に会社計画含めた業績を載せていますが、
売上に対する利益の伸び率が高い(変動費率が低く、固定費も抑えられている)
また、売上高営業利益率は年々上昇していることから証明されています
ただし、2023.6期は計画値では、増員や情報セキュリティなどの投資が先行する計画となっており、大幅に落ち込んでいます
3つ目、
「成長市場」 × 「高シェア」
これは説明しなくてもわかってもらえるシンプルなものですが、
これを満たせる企業は実際にはごく一部です
成長市場が続くかどうかや高シェアを維持できるかどうか、注目しておく必要はあります
企業努力や将来のための積極的な研究開発やアイディア創出など、自分なりに見極めなければいけません
ics社については、
MDM市場では、ics社の資料では、2021年から2025年までの4年間で、1.5倍以上の市場規模になると想定されています
会社の想定を前提とすれば、成長市場に位置していると言えます
シェアについては、2011年から2021年まで11年連続シェアNo.1です
今後は、2021年度のシェア21.9%から40%までシェア獲得を目指す、とされています
この高いシェアを裏付けるものとして、
大手企業や行政機関、医療・学校法人など幅広い業種・業態へ導入され続けており、解約率も低く抑えることができている点は高く評価できます
導入法人例:明治安田生命保険相互会社、大林組、西日本旅客鉄道(JR西日本)、佐賀県庁、東京慈恵会医科大学 他多数(ics社ホームページより抜粋)
ドコモとは販売提携しており、ドコモのビジネスサイト(docomo business)でも、「CLOMO MDM for ビジネスプラス」として、ドコモの取引先等へ導入を推進しています
ics社のMDM「CLOMO MDM」はGoogle社の厳格な要件を満たしたサービスであることを示す、「Android Enterprise Recommended」にも名を連ねています
2015年より日本Microsoft社とも協業開始
とサービスのクオリティの高さが証明されています
視点②業績の成長鈍化の懸念
2021.6期までは各四半期毎の売上はきれいな右肩上がりの線を描いています
2022.6期および2023.6期1Qも増収は継続できていますが、その伸びは明らかに鈍化しています
利益率は上昇してきているため、今後の業績成長のカギを握るのは売上の成長、
ics社が提供しているCLOMOサービスの導入企業がどれだけ伸びていくかがポイントです
2021.6期962社増、2022.6期524社増と導入者数も明らかに鈍化している状況です
直近では2023.6期が1Qのみで138社増でした
2021.6期がコロナ禍などによるDX化など、トレンドだったことからすると、一定程度の鈍化はしかたないかもしれません
2023.6期は、今後の成長のための積極的な投資を行うことが示されています
具体的には、
品質/満足度向上のための製品開発
新規ソフトウェア導入による減価償却の増加
人員増強
社内用のシステム関連
情報セキュリティ体制強化
M&A、CVCの活用
が挙げられています
しかし、継続的な成長には導入企業が安定的に増加いくことが必須であり、今後の成長については、2023.6期2Q以降を注視していく必要があります
株価は割高?割安?
株価は上場後から下落を続け、9月に1,571円で底打ちしてから、現在の本決算発表前の終値で1,702円です
2022.6期本決算は計画を上回りましたが、2023.6期は増収も大幅減益計画となっており厳しい状況です
2023.6期第1Qも増収も減益で通期計画程度の実績です
売上の成長が鈍化してきている現状で、利益の伸び悩みの状態は、株価はまだ割高と言わざるを得ないです
利益率は先行投資部分を除けば非常に高いため、売上さえ伸びれば利益も大きく伸びます
そのため、売上が再成長路線を描くようになる転換点が来た時点での買いが効果的です
また、何か動きがあれば順次更新していく予定です
他の個別銘柄への投資ポイントについても興味があればこちら
個別株への投資の方法について興味あればこちら
現在の僕の投資の状況に興味があればこちら
会社概要
証券コード/銘柄名:4495/㈱アイキューブドシステムズ
設立年/上場年/上場市場:2001年/2020年/グロース
業種コード/業種:5250/情報・通信業
決算月:6月
事業内容:MDM(Mobile Device Management:モバイル端末管理)サービス「CLOMO」の開発・提供、MDM市場シェアNo.1(2011~2021年)
売上高/営業利益/経常利益/当期純利益(伸び率:%)単位:百万円
23.6(会社予想):2,734(11.4)/657(▲20.5)/658(▲19.5)/452(▲16.2)
22.6:2,454(21.0)/826(45.2)/817(46.2)/539(49.2)
21.6:2,029(23.6)/569(38.2)/559(39.3)/420(32.1)
20.6:1,641(17.3)/412(64.3)/401(62.5)/318(43.8)
19.6:1,399(20.6)/250(49.4)/247(113.2)/221(4.1)
18.6:1,160(18.8)/167(94.1)/116(50.9)/212(183.1)
最後に
僕は日本の個別株への投資をメインにしています
また、その中でも成長性の高い株です
そのため比較的リスクは高めなものが中心です
これまで書いた記事もリスクは高めだと認識しています
その中で自分なりに分析して勝負する
時には損失が先行することももちろんありますが経験値としては積み上げられ、
そして利益を積み上げることができたと思っています
投資はどうしても自己責任を伴うものです
どうせなら自分自身で調べてみたりして信頼できるものへ投資して、もし失敗してもその失敗が経験になり将来につながるような投資になればと思います
ここまで読んでいただいてありがとうございます
一緒に株式投資を盛り上げていきましょー!
注意事項
※投資判断はご自身の責任において行うようにしてください
記載の内容はあくまでも私個人の見解と情報収集によるもので必ずしも正確、適切な情報を保証しません
また、データが古くなっている場合もありますのでご活用の際にはご注意ください