投資

【株式投資】企業分析のポイント10選

ぽこしです。

これまでの記事で都度、個別株への投資はまずその企業のことをよく調べて深く知ること・企業分析することが大事だということを書いてきました

しっかーし!!

どうすれば?

考えてみれば企業分析を専門にしている人や投資で日頃から個別に企業のことを調べているような人でなければ

「分析って言われてもどうすれば?」

となるだろうと気付きました

ということで今も株式投資で実践していて公認会計士として業務でやってきたことも独自に含めた分析のやり方を紹介していきます

なお、ここでは成長を期待できる企業への投資を前提にしています

そのため、投資する企業が成長して株価の上昇が期待できるかという視点の分析法になります

※注:本格的に書き始めるとあまりにマニアックな複雑なものになってしまうので、できる限りわかりやすく簡潔に書くことを心がけています

逆に内容が深くなり過ぎないようにしている点を大目に見てください。

ではでは、

目次

企業分析のポイント10選

  1. どんなことをしている会社かをまず知ろう!!!
  2. 強みを知ろう!!!
  3. 弱みも知ろう
  4. その会社の成長ストーリーを描こう!
  5. ストーリーは成長が成功・停滞・失敗の3パターンで描く!
  6. サブスク企業は強し
  7. 株式投資に必須の基本指標を身に付けよう!!
  8. その会社の数値/業績などを理解する
  9. 描いた成長ストーリーを具体的にしてみよう
  10. 現在の株価が割高か割安かを判断しよう!!

10項目に分けましたが、すべて読むのが手間なときは気になるところだけでもOK!

初心者にオススメのポイントの順序

各ポイントを説明していく前に、

初心者の方にはこの順序で見てもらうとシンプルでヨシ!です

  • スタート:
    ポイント① → ポイント② → ポイント④
  • 慣れてきた:
    スタート + ポイント⑦ ~ ポイント⑩ を順序通り
  • 個別株投資が分かってきた:
    慣れてきた + ポイント③、⑤、⑥も追加

こんな感じで徐々に追加してもらうと無理なくステップアップできます

すべてできるようになることは大切です

ただ、最初からすべてやると投資を始める前に個別株への投資をやめたくなります

そうならないようにこのくらいのステップで進めることをオススメします

分析のポイントの概要

なによりもまず大事なことは成長できるような魅力ある会社かどうかを深く知る必要があります

ポイントの1.~5.でどんな会社かや数値に出てこない強みや弱みなど(定性的要因を知りましょう

次に売上や利益、指標といった会社の定量的要因と言われる具体的な状況を知りましょう

この定性・定量要因を自分なりに知ることができると、その会社の成長ストーリーがある程度具体的に描けるようになります

最後はそれを基に今の株価が割高か割安かを自分なりに判断して投資を判断します

大まかな流れはこんな感じです

これを後ほどもう少し深堀して説明してきます

ですが、その前に個別株への投資には分析がなぜ必要/重要なのかを説明しておきます

不要の場合は読み飛ばしてください

そもそも個別株への投資に分析って必要なの?

個別株への投資に分析が必要かって聞かれると逆に聞き返してみたくなることがあります

考えてみてください

自分の彼氏・彼女や人生のパートナーを選ぶ際に、

相手のことをよく知らずに決めますか?

これと同じことです!

だって、株式投資は自分の大事な財産をその会社へ預けるようなものです

なのでなんとなく良さそうだからとか大企業だから、みんながよく知っているからとかは、

見た目が良いからとか表面的なことで付き合うのと同じです!!

それで失敗したことがある人なんておそらくこの世の中には数知れず・・・

そして株式投資の世界でも同じような理由で失敗したことある人もおそらく数知れず

ということで株式投資をする前に会社のことをよく知ること・分析することは必須です

すでに挙げた分析のポイントについて順に説明していきます

ポイント①:どんなことをしている会社かをまず知ろう!!!

会社のことを知らずして分析できずなので会社のことを知ろうということで、

あまり難しく考えずに簡単にでいいので以下の点を中心に調べていきましょう

  • 会社の概要(本社がどこになるかなど)
  • 事業の内容
  • 社長などの代表者はどんな人か
  • 会社が掲げている理念やミッション・ビジョンなど
  • 会社の歴史・沿革
  • 株主構成
  • 主な子会社
  • 過去3年ほどの業績
  • どんな人が働いているか

こんなにあるの?と思われそうですがそんなにしっかりと読み込んで理解する必要はまだないので、

上に書いた通り気軽に見てもらえれば十分です

それでは、何を参考にすればいいかというと

会社のホームページ

ホームページにある会社概要や事業概要、IR(Investor Relations)情報などが中心です

忘れずに見てもらいたいのが採用ページで、ここに何人かの従業員が紹介されていることが多いです

四季報

簡潔に会社のことがまとめられているので重宝します

買わなくてもネット証券などを使われていたら無料で公開されているはずです

僕個人的にはこの2つで十分だと思っていて他はあまり活用していませんが、他に参考にするものとして、

Wikipedia、アナリストレポート、ミンカブ(株探含む)

などもありです

自分の株式投資への知識に合わせて何を活用するか選んでください

初心者の方は会社ホームページと四季報くらいでもかなりの情報量なので十分です

そして、この段階で「なんか違うなぁー」と思うようならその会社はやめて次の会社へ進みましょう

「おもしろそー!」とか「良さそうかも?」とか思えるようであれば次のポイント②へ

あとから時間をかけるようになるので多くても5~10社まで絞ったほうがヨシ!です

ポイント②:強みを知ろう!!

ポイント①で会社のことを大まかに知れたので次は会社の強みです

これを知ることで会社の今後の成長を期待できそうかどうかなど少しずつわかってきます

「会社の強み」はなかなか一言で言うのは難しく、会社それぞれ

また、それを強みと思うかどうかは人それぞれです

ここもまだ深く考えすぎずに「これは強みになりそう!」ということを見つけてリストアップください

できれば1社につき5つくらいリストアップできるとヨシ!です

例をいくつか挙げておきます

スシローが主な事業である「FOOD & LIFE COMPANIES」はまず「安価な寿司」が強みです

日本人は寿司が大好きで週末はだいたい行列ができている、海外でも寿司は大人気だけども高い店が多いからスシローは流行るんじゃないか?

この「安価な寿司」から強みをこのように少し深堀りすると良いです

「ANA」や「JAL」の場合だと強みは日本国内では長く空の2強であることです

今はコロナで大打撃を受けてますが、世界的に見れば人口増及び中流所得層以上の増加により、旅客数は将来的に増加傾向、物流も増加が続くと見込める

航空業界は今を耐えれば中長期的にはかなり期待できるマーケットだなと思えるくらい深堀りできるとベストです!

他に僕個人では、

創薬企業に多く投資しており、認可されれば多くの方の命や困っている病気を治せて売上も伸びる

新たなモバイル成功予想で「楽天」、その他5G・通信関連でシェアの高い「ベイシス」、「アイキューブドシステムズ」といったところです

もし、ここで強みを探して魅力に思える強みがない会社があれば投資の候補から外しましょう

ポイント③:弱みも知ろう

どの会社にも大小の弱みはあります

弱みがあること自体は悪いことではありません

ただ、その弱みが今後大きく株価を下げるようなことになると大変なことになります

そのためどんな弱みがあるのかも知ってリストアップしてください

これは強みの反対なだけで同じように見つけていけばヨシ!です

ポイント④:その会社の成長ストーリーを描こう!

ポイント②で強みをリストアップしてもらいました

これを使って次は選んだ会社がどのように成長するかのイメージ化です

どのように成長していきそうかをまずは文字で書いてみる

ちなみに僕の投資先の1つ「出前館」を簡単にまとめると

現状:売上は急成長中、一方赤字企業
   業界はUber Eatsなどとの生き残り競争中

2~3年後:生き残り競争を勝ち抜く
      売上の急成長から利益の急成長の時期が到来

3~5年後:売上と利益の成長により株価も急成長

実際はもっと数字や内容も具体的にしていますが、簡潔にまとめるとこんな感じの成長ストーリーで株価上昇イメージをしています

ポイント⑤:ストーリーは成長が成功・停滞・失敗の3パターンで描く!

ここではポイント④の成長ストーリーを1.成功、2.停滞、3.失敗の3パターンイメージ化してみることにチャレンジしてみてください

難しければいったんここは飛ばして次のポイントへいきましょう

さきほどと同じく「出前館」でやってみると・・・

まず成功パターンは、

ポイント④で書いた成長ストーリーです

次に停滞パターンは、

今のデリバリー業界の生き残り競争が3年以上の長期で続いてしまうことです

大幅に悪くなったわけではないが予定通りではない場合と思ってください

最後に失敗パターンは、

出前館が生き残り競争に負けてしまって撤退・会社の倒産/清算なんてことになることです

投資をしていてこのパターンになったことを想像するだけで悲劇ですよね

選んで残っている候補の会社についてこんな感じでイメージができれば次へ進んでいきましょう

ポイント⑥:サブスク企業は強し

少し横道に逸れるポイントにはなってしまいますが、

成長かつ安定を両立できる企業のポイントとしてサブスク的要素のある企業は狙い目です

サブスク的要素:毎月or毎年の安定収入が入ってくるような契約や事業の土台

世界的な有名企業ではNetflixが月額契約のサブスク型で大きく成長した企業です

その他でもメタはFacebookやインスタの登録/利用者数が土台となって大きな広告収入を得ています

AmazonやAlphabetも非常に高いシェアと多数の会員数・利用者数が土台となって莫大な収入を得ています

これら企業を参考に同じようなサブスク的要素で事業展開をしており、かつ、その業界・事業が成長する可能性を持っているとかなり狙い目です

ポイント⑦:株式投資に必須の基本指標を身に付けよう!!

ここでは、最低限身に付けてほしい個別株への投資に必須の基本指標を紹介します

詳しい説明は他でもたくさん紹介されているので調べてみてください

業績(PL)面:売上高/営業利益/経常利益/(税引後)当期純利益/

売上高:会社の基となる商品やサービスによる収入

営業利益 = 売上高 ー 原価 ー 販売費 ー 一般管理費
販売費:広告宣伝費など
一般管理費:人件費や研究開発費など

将来的には、特に原価、広告宣伝費、人件費、研究開発費については深く理解できるようになってください

これらの項目はそのくらい重要です

経常利益:営業利益 + 営業外収益 ー 営業外費用

ここは徐々に理解するくらいで大丈夫です

当期純利益:経常利益 + 特別利益 ー 特別損失 ー 税金関係費用

少し正確な表現ではないですが、大まかにはこんな感じで分かっておいてもらえると十分です

財務(BS)面:資産/負債/純資産/自己資本比率

資産:お金や商品、土地や建物などの固定資産など会社が持っているもの
負債:借入などの基本的に返さないといけないもの
純資産:出資などのもらったお金や稼いだの合計、配当をすると減る

自己資本比率:純資産 / 資産

一般に自己資本比率が高いと会社は安全性が高い、低いと逆に安全性が低いと言われる

これも表現は正確ではないですがわかりやすく表現しています

割高/割安:PER(Price Earnings Ratio の略)

PER:収益に対して株価が何倍かを示す

例えば、会社が1億円の利益、株数1万株、株価10万円の場合

利益10億円 / 株数1万株=1万円と1株当たりでは、1万円稼いでいる

このときのPER:株価100,000円 / 10,000円 = 10倍

もし、人気が高く株価が30万円だったとすると、PER:300,000円 / 10,000円 = 30倍と高くなる

この倍数PERが割高か割安かの判断の1つによく使われます

ちなみに僕の分析のメインはこのくらいしか使いません・・・

ややこしい指標なども知っていて使えますが、あまり役立ったことが少ないからです

ですので、初心者の場合はここに挙げたものだけでもいいので頑張って理解してください!!

ポイント⑧:その会社の数値/業績などを理解する

ポイント⑦で挙げた各指標がだいたい理解できればこれを個々の会社で見ていきます

売上高や営業/経常/当期純利益を過去からさかのぼると、会社がどのくらい成長しているかがわかります

次に自己資本比率で会社がどのくらい借入などをして事業をしているがわかります

イメージしにくければ自分自身の総資産のうち、住宅ローンやマイカーローンなどで借入している割合がどのくらいかを会社に当てはめてもらえればいいです

借入しまくっていて返すと手元にほとんど残らないまたは返しきれずにローンだけ残るような状態はかなりヤバい状態だとわかってもらえると思います

他も含めていつくかの会社の色々な数値や業績を見るのに慣れてくると、徐々に数値や指標を見る目が養われてきます

ポイント⑨:描いた成長ストーリーを具体的にしてみよう

ポイントの④で会社の成長ストーリーをイメージしてもらいました

ここではその成長ストーリー⑦、⑧で身に付けた数値や指標で具体的にしていきます

実際には自分のイメージ化した成長ストーリーと、

過去から現在までの売上/利益推移を組み合わせて将来の売上と利益の予想を立てる

これができると今のPERだけではなく将来予想のPERも将来予想利益から計算することも可能になります

慣れてくるとこれをポイント⑤の停滞、失敗の各パターンでも具体化していく

また、これを続けていくとそれぞれの具体化が深く自信あるものになり予想精度が高くなります

ポイント⑩:現在の株価が割高か割安かを判断しよう!!

ここまでくれば最後の判断となります

現在のPERだけではなく将来PER予測もできました

停滞や失敗する場合のリスクも具体的にできています

そうすればあとは現在の株価が割高か割安か判断するだけです

判断するだけと書きましたがこれが難しく最も重要です

決まった判断方法はないためこの判断は①~⑨までの積み重ねによります

しかし、しっかりとここまでやっていただくと難しいですがこの判断は自分自身でできます

最後に

ここまで読んでいただいてありがとうございました

ただ、一方でここまで読んでも何かスッキリしないままかもしれません

もし、その感覚を持たれていてもその通りで間違っていません

なぜなら本1冊になるような内容をブログの1ページでは説明しきれません

ただ、ここに挙げた10個のポイントを1つ1つ繰り返しやっていただければ自然と身につきます

そして身についてくると個別株への投資の本当の面白さに気付くことができます

これは投資信託などにはない面白さです

もちろん、面白さだけで損をしてしまっていたら意味がありません

最初は損が出ることも当然ありますがこれを長く続けていけば、必ず利益が積み増されていきます

そうなる頃にはコアの部分をご自身で気付いてスッキリしていただけているはずです

それまでしばらく時間がかかると思いますが、投資は根気強く長く続けることが勝つ秘訣です

焦らず無理をせずコツコツとチャレンジを続けてください

なお、個別株への投資で他のことについても知りたい場合はこちらも参考にしてください

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