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企業分析⑥お宝銘柄を見つける!四季報のポイント!

個別株投資をされていれば、四季報を読まれたことがあるのではないでしょうか

読んだことがなくても、存在はご存じだと思います

冊子形式だと分厚く、初心者には寄り付きにくい

勇気を出してチャレンジしてみても、どこからどう読んでいいかわからず、序盤で断念してホコリをかぶってしまっている…

なんて状況かもしれません

Twitterでも四季報の読み方に関する相談やツイートへの反響も比較的多かったため、僕なりの視点をブログ記事にまとめていきます

なお、僕の投資は成長銘柄への長期投資を前提にしているため、

長期投資による、株価上昇が期待できるお宝銘柄候補を見つけるための「四季報のポイント」であることを前提に読み進めてください

なお、本記事は「企業分析シリーズ」の5番目の記事となります

企業分析について知りたい方は、他の企業分析に関する記事も参考にしてください

目次

お宝銘柄とは?

僕の中では、

お宝銘柄
→ ほとんどの人がまだ気付いていない成長銘柄
  または
  業績低迷により株価が低迷しているがこれから業績回復して株価の反発が期待できる銘柄

と考えています

そのため、業績が好調ですでにPERが高い銘柄は、よほどの理由が見つからない限り、投資対象からは除外しています

理由は、

高PER銘柄は成長しても、それなりの成長では市場期待を超えられない
成長鈍化が少しでも見えれば、株価は急落するというハイリスクローリターン

と言えるからです

逆に

不人気で低PERに甘んじている
業績と株価が低迷している
実は潜在的成長or業績回復を期待できる

ようなキラリと光るお宝の原石を持っている銘柄(お宝銘柄)も必ずあります

これを見つけられるかどうかにかかっています

ということで、これからまだほとんどの人が気付いていない成長期待ができるようなお宝銘柄を、四季報から見つけられるようになっていきましょう

四季報の内容

説明を進める前に、四季報が銘柄ごとにどのような情報が記載されているかですが、大まかに区分すると、

A:証券コード・社名・会社の特色
B:会社に関する業績/材料記事
C:会社の情報(本社所在地など)
D:株主・役員・連結子会社
E:株式・財務・指標等・キャッシュフロー
F:資本変動の経緯
G:株価
H:特集企画
I:業種・比較会社
J:業績推移と予想
K:配当の状況と配当利回り
L:業績予想の修正記号
M:四季報独自予想マーク
N:株価チャート・株価指標

上記は実際に四季報に掲載されている区分に基づいています

もし、お手元に四季報があれば、四季報とも見比べながら以下を読み進めていただくと、わかりやすくまとめています

まずどこを見るか?

上記の区分の中で、お宝銘柄を見つけていくためにどこを見るかですが、

順に並べると、以下のようになります

①会社の特色(A)と会社に関する業績/材料記事(B)
②業績推移と予想(J)
③株価チャートとPER(N)
④時価総額(E)
⑤最高益(E)
⑥株主構成(D)
⑦外国人投資家比率(D)
⑧予想配当利回り(K)

各項目について、順にポイントを紹介していきます

①会社の特色(A)と会社に関する業績/材料記事(B)

成長株への投資にまず大事なことは、

会社のことをよく知ること

です

これなしに会社に対して将来の成長を期待することはできません

また、自分自身で理解できない事業を展開している企業への投資も、会社のことをよく知らないまま投資することになり、避けなければいけません

そのため、ここに目を通し、事業が理解できそうであるか、または、すぐに理解できなくとも、調べたりできるような興味が湧いてくるかどうかが重要です

次に、

成長するor業績が回復するイメージが具体的に描けるかどうか

です

これは、四季報のみの情報ではもちろん限界があるため、描けそうな感触があればいったん候補としてリスト化などしておきます

あとは四季報チェック後の作業になりますが、

会社HPやリリース資料、同社に対する評価会社などの外部資料などをチェックしたり、実際に商品やサービスを見てみる、使ってみる、実際に会社を訪問してみるなどの具体的なアクションへ移ります

②業績推移と予想(J)

①で会社のイメージが大まかにできれば、次は実際の業績を確認していきます

四季報には通常過去5期分の実績と四季報独自の予想が直近2期分記載されています

ここで注目すべき点を挙げていくと、

売上高 → 毎期着実に成長しているか or 一時的な低迷か
営業利益 → 高い利益率となっているか or 赤字の場合は成長のための赤字であるか or 一時的な低迷か
四季報予想 → 実績からの成長路線の延長線上にあるか or 業績が復調しているか

を重視してチェックします

これらの流れを確認して、①での会社のイメージを業績面でクリアにしていきます

この①,②をイメージ化とともに会社の内容と業績を把握していくと、成長性判断が具体的にできるようになっていきます

なお、①と同様に②も四季報情報のみでは十分な情報は得られないため、ここでもいったんリスト化しておき、後で会社資料等にて具体的な情報収集と分析を行うようにしてください

③株価チャートとPER(N)

③は先に見る場合も多いのですが、まずはPERです

初めにも書いた通り、高PER銘柄はよほどの理由がない限り投資対象からは除外しています

お宝銘柄の発掘のためにも重要な指標になるため、PERの数値だけでなく状況を理解します

PERはあくまで純利益により変動するため、不動産や有価証券の売却などで一時的にPERが下がっている、反対に一時的な利益減少によりPERが上昇している場合もあります

②の過去の業績や株価チャートにおける株価推移も合わせて確認しておきます

投資対象は比較的PERが低い、または、赤字で時価総額が事業内容に対して割安と判断できる銘柄にしています

そのため、業績と株価推移の関係がどのようになっているかも重要なポイントです

④時価総額(E)

これは会社の規模を測る際に利用します

ミドルリスクミドルリターンを狙うなら、比較的PERが低めで時価総額が大きい企業を投資対象にする

比較的高いリスクも許容できるならば、時価総額の小さい小型株も投資対象に入れて検討していきます

ここにももちろん、①~③の要素は前提です

⑤最高益(E)

この辺りまで来ると、重要度は下がるのですが、

最高益を見ることで、その企業の絶好調時にどのくらいの利益が出せていたかを参考にします

成長企業であれば、この最高益を更新している場合が多いので、今期以降どの程度超過していきそうかの基準にもなります

ただし、注意点としては、最高益にはどんな利益であっても含まれます

会社が不調時における決して前向きでない理由により発生した特別利益(債務免除益など)など、本来のその企業の実力意外から発生したものにより最高益が計上されている場合もあるので、

あくまで参考であり、必要によりどんな時に計上された利益なのかを知っておくことも、企業を知る上では良いと思います

⑥株主構成(D)

オーナー企業なのか、どこかのグループ会社なのか、大株主はだれかなどは知っておいて損はないです

どこかのグループ会社であれば、そのグループおよびその中で当該企業がどのような役割・ポジションを担っているか調べておく必要があります

大株主に他の事業会社がある場合は、資本提携の有無なども企業分析には大事な要素になります

その他に親会社やオーナーが高い割合で株式を保有している場合などは、浮動株比率が低く、日々の出来高や株価変動への影響が大きい場合もあります

この株主構成に関する詳しいことについては、多くの要素があるため、別途調べてみるようにしてください

⑦外国人投資家比率(D)

⑥とともにこれを把握しておくことで、株価がどのような要因で変動するかを知る参考指標になります

外国人投資家の比率が高ければ、海外の影響を受けやすく、また、海外投資家が日本株を買っているのか、売っているのか、によって大きく影響を受ける場合もあります

外国人投資家の日本株の売買の状況は、毎週木曜日の引け後に東京証券取引所から前週のデータが公表されます

⑧予想配当利回り(K)

お宝銘柄探しにはあまり配当利回りは関係しないのですが、

高配当銘柄かどうかも投資の利回りを考える上では、1つの参考指標になるため、念のため見ておきます

過去の配当の状況も記載されているため、増配傾向かどうかを把握しておきます

ただし、個人的には配当を目的としていないため、見ても忘れてしまっていることが多いですが…笑

まとめ

以上、四季報のポイントを簡単にまとめました

特に①~④までを重点に、⑤~⑧は参考程度に把握しておくイメージです

①~④を通じて、大まかに以下の点を把握します

  • 成長の可能性のある事業展開ができているかどうか
  • 業績が今後どの程度成長できそうか
  • 過去の業績含めたPERは、低い水準にあるか、赤字企業の場合は、黒字化した際にはPERが低くなりそうか

これらの情報により、最初のスクリーニングとして引っかかった企業を、次のステップとして具体的に企業分析し、投資の対象とするかどうかを決定していきます

残念ながら、四季報情報のみからお宝銘柄を見つけることはできず、大事な視点はお宝銘柄候補を見つけることです

お宝銘柄候補からお宝銘柄へ絞っていくためには、根拠のある企業分析を綿密に行うことが大切です

あくまで世の中の数ある1意見として、参考にしていただければ幸いです

企業分析の基本に関しても知りたい方は、本記事シリーズの①~④も参考にしてください

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