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企業分析④PER?PBR?

株式投資で個別株に投資をする際、多くの方はPERとPBRを確認することが多いのではないでしょうか

業績的に、財務/資産内容的に割高/割安の判断指標の1つとして

この2つの指標は、会社の現状と株価との関係を簡潔に表してくれる便利な指標です

しかし、これらを重要視しすぎると落とし穴に落とされ、割安と思って買ったのに株価が下落を続けて塩漬け…なんてことも起こります

そこでこの2つの指標の利用方法や注意点をまとめていきます

あくまで僕が公認会計として、企業分析に従事してきたことや株式投資で活用してきたことから得た知識や経験から、有益と考えるものです

主観がたぶんに含まれるため、数ある中の1意見として読み進めていただければと思います

PER/PBRとは?

そもそもPER、PBRは何かというところをおさらい含めて、まず最初にまとめておきます

定義から見ると、

PER = 株価 / 1株当たり当期純利益(EPS)(倍)

収益力に対する株価を表す指標

一般的には、高くなれば割高方向、低くなれば割安方向の判断の目安になります

PBR = 株価 / 1株当たり純資産(BPS)(倍)

(純)資産性に対する株価を表す指標

PER同様一般的には、高くなれば割高方向、低くなれば割安方向の判断の目安になります

PERの基準を持つ

PERについて、日本の市場では平均がだいたい10倍前半台、米国だと20倍前後くらいになっていることが多いです

これら市場全体でのPERは、高くなっているか、低くなっているかにより過熱感の感度としても多く利用されています

しかし、個別の銘柄にスポットを当てると市場平均というものは、あまりあてにはできません

市場では100倍を超える成長期待銘柄から、5倍前後の成長をまったく期待されていないような銘柄まで、を含めて平均値化されているからです

あくまで市場平均のPERの推移は、今が上昇相場なのか、下落相場なのかなどを示す、相場の心理を表す参考指標の1つ程度の認識で見ておくと良いのではないでしょうか

個人的には、ご自身でPERの基準を持っておくことをオススメします

僕の基準としては、銘柄の事業内容などにもよるので言葉では説明しにくいのですが、

大まかには「10倍を超えると市場の成長期待が少なからず乗っている」、「8倍程度までが市場からの成長期待がなく株価下落が小さいぬるま湯水準」のイメージです

そのため20倍以上は、市場の成長期待が一定程度乗っていると見て、成長鈍化の兆候が表面化すると、株価が大きく下がるリスクがあるという意識をしています

そのため高PER銘柄への投資は、かなり気を遣って行います

もちろん8倍水準以下であっても、業績が落ちれば当然株価は下落するため、下がるリスクがないわけではなく、あくまでそのリスクが比較的小さいという意味です

PBRの基準を持つ…?

PBRもPERのように、よく言われる割高/割安の目安が1倍です

1倍を下回れば、会社の資産をすべて処分した際に時価総額以上に資産が残る、という考え方が基になっています

しかし、資産には換金性のない/低いものも多く含まれており、この考え方も鵜吞みにしすぎると失敗します

1倍を大きく下回ったまま株価が低迷している銘柄には、それなりの理由があります

また、資産の中に換金性がないとみなされる「のれん」の金額が多い会社も注意が必要だったりします

PBRについては、その数値が高いか低いかよりも、資産や負債の内容が重要です

僕の場合はPBRには基準を持っていません…というよりPBRはほとんど見ません

理由は上記の通りで、見るのは実際にどんな資産/負債/純資産の状況になっているかの点です

また、PERは業績の成長期待の程度の表れとも見て取れますが、PBRはあくまでBSと株価の関係です

BSが成長するという概念がまずもってないので、PBRが10倍であった場合に、業績の成長期待による株価であると考えられ、PBRに対する判断する基準を持つことができません

最初にも書きましたが、これもあくまで個人的な意見のため、1意見として読んでいただければと思います

PERの活用方法

さきほどは、基本的には「10倍を超えると市場の成長期待が少なからず乗っている」、「8倍程度までが市場からの成長期待がなく株価下落が小さいぬるま湯水準」のイメージと書きました

これに「企業分析①~③」で紹介した企業分析を通じた将来予測を組み合わせていきます

その会社がどのくらい成長しそうかを今後2,3年程度先まで予測し、その成長性とPERの水準の比較です

僕の場合は成長なしの水準を8~10倍程度と見ているので、もしPERが40倍だったとすると、現在の業績の4~5倍水準まで成長をする必要があると見ます

このイメージが具体的に描けるかどうかです

あくまでPERは一般的な利用方法と同じく、「株価が割高/割安の判断」に使用しています

お宝銘柄の見つけ方

投資家が期待するポイントの1つは、株価が上昇して利益を得ることです

これを前提とすると、株価の上昇を期待できる銘柄を選ぶ必要があります

すでに人気があり、PERが高い水準にある銘柄は、業績がある程度成長しても、その成長が株価に折り込まれているため、業績のみでの株価上昇は限定的です

一方、PERが低くても成長が期待できなければ、株価はなかなか上昇しません

ということは、

人気がなく、PERが比較的低く抑えられているにもかかわらず、将来の成長期待が実はできる銘柄を見つける

これがお宝銘柄の見つけ方でもあります

もちろん言うは易し行うは難しですが、この前提で探すとかなり絞り込みができます

実際に僕はこの方法で株価が2~8倍程度まで上昇した銘柄を、いくつも手にすることができました

PERが低い銘柄は、誰しも見つけることは簡単です

その中から実は成長期待ができる銘柄を見つける、これが難しい作業になります

しかし、ここから企業分析が深くまでできるようになると、ある程度の成長予測もできるようになるので、見つけられる確率はかなり上がります

そのためPERが大事というよりは、あくまで目安の意識で、企業分析がしっかりできるようになることが、お宝銘柄を見つけるうえでも重要な要因となります

最後に

ファンダメンタルズ関係の書籍でも、各指標について基準やもっともらしい説明をつけて紹介している場合が多いです

なぜかというとそのほうが簡単であり、読む側も初心者であれば納得感を得やすく、売れやすい

でも、個人的にはそんなファンダメンタルズ分析で本当に株式投資でうまくいくのか?

とても疑問に感じます

もちろん、なにも知らない素人よりはマシだろうと思いますが、長く続けていく上で、そんな指標を駆使して勝ち続けている人は少数だろうと感じます

株式投資の対象となるのは企業です

その企業は、日々変化する市況や業界、世界情勢などの荒波を乗り越えながら経営をされています

そんな将来予測が企業側ですら難しいことなのに、通り一辺倒なやり方でうまくいくはずがないと思っています

投資家も柔軟に変化できる思考と行動、それを支える知識や経験、スキルを磨いていく必要があり、そのための努力を続けることです

これが近道はなくとも長期的に勝てるようになるための術ではないでしょうか

独り言

「リスク」と言われると、「危険」や「予想通りにいかない可能性」といった意味が一般的です

一方、投資や金融の世界での「リスク」は「不確実性」や「ボラティリティ」といった意味で使用されます

そのため、リスクが大きいとは、不確実性やボラティリティが大きい、言い換えると予想が難しいこととも言えます

投資はできる限りこの「リスク」をコントロールすること、「リスク管理」が重要だと言われます

株式投資における「リスク」は、企業の成長性に対する不確実性や株価に関するボラティリティといった点が挙げられます

残念ながら株価の動きを完全に予想することは、非常に難しいです

また、企業の成長性についても、その企業の経営者の予想であっても、不確実性が多々あるにも関わらず、外部の人間である個人投資家に正確に予想できるはずがありません

しかし、だからといって曖昧なまま「株価が上がればいいなぁ~」で投資をすれば、多くの場合は失敗をしてしまいます

この曖昧さをできる限り排除し、絶対ではもちろんないですが、確実性の高い予想をしていく、そのために企業分析をすることが重要となります

僕の今までの経験上でも思いますが、株価予測は難しいですが業績予想はそれなりの確度で分析することは可能です

そうなれば投資の成績は、飛躍的に向上していきます

インデックス&積立投資のような本業がある中で、コツコツ資産の積み上げとして投資を活用する分には問題はありませんが、

個別株への投資を主体としていたり、トレードによるキャピタルゲインを目的とするならば、

いつまでも「なんとなく」の曖昧な投資では、勝てませんし、資産が増えていくことは運以外にありません

テクニカル分析やファンダメンタルズ分析、マクロ経済学に基づくなど、どんな手法であれ根拠のある知識やスキル、経験に基づく投資をされることを強くお勧めします

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