高校生の家庭科で金融教育が2022年4月からスタートしています
家庭でも子供への金融教育をしていきたいけど、どのようにしていけば…
僕も悩んだことですが、子供を育てられている多くの方が悩まれていることではないでしょうか
自分自身で投資や将来の備えのために準備はできても、それを子供がわかるように教えていくことは、難しいことだと思います
でも、子供の将来のためにもしっかりと教えておきたい
そんな子供を持つお父さん、お母さん、または、すでに高校生くらいになっている方へオススメしたい本です
「N/S高 投資部の教科書」著:N/S高投資部、監修:村上世彰(以下、本書とします)
少し本書について紹介していきます
目次
お金のことを考える
「お金のことを考える」と書くとひと昔前であれば、悪い印象があり、友人や家族であっても話したがらない傾向が日本には根強くありました
金融教育やNISA、IDeCoなどの開始もあり、日本でも少しずつ意識の変化はあると思いますが、まだまだ「お金」について、良く思われないことが多いです
そもそもお金とは何でしょうか
本書では3つ機能が紹介されています
- 「価値交換機能」
- 「価値尺度機能」
- 「価値保存機能」
です
単純に言えば、お金はあくまで手段のためのものであり、お金自体には「良いお金」、「悪いお金」というものはなく、あくまで社会を円滑にするための道具の1つでしかありません
お金がなぜ必要なのか
お金にはいくつかの役割があります
・生活防衛のためのお金
現代社会では、一部で自給自足の方もおられるとは思いますが、ほとんどの人はお金がなければ現在の生活を維持することは難しい世の中です
日々の生活を送るだけで、食費や家賃、水道光熱費など様々なものにお金がかかります
そのためにまずは日々の生活が成り立つだけのお金が必要になります
・やりたいことをするためのお金
夢や趣味、満足を得るためなどには生活防衛以外にもお金が必要になります
お金だけではないですが、お金は人生を豊かにするためにも必要となります
・不測の事態に備えるためのお金
社会に出て、働くようになっても、その会社が倒産した、怪我や病気などで働けなくなったなど、いつ今ある収入がなくなるかわかりません
その時にお金に余裕があれば焦ることなく、将来をどうしていくかを考えていくこともできます
・他人や社会のために使うお金
上記の3段階まで来れたなら、生活や人生設計などにも余裕があるようになっているでしょう
それでも余剰金があれば、自分の大切な人や周りの困った人を助けることもできるようにもなります
また、その余剰金を社会のために役立てることもできます
この4段階目はあなたやあなたの子供自身の人生を豊かにしてくれるに違いありません
「投資」と「投機」と「ギャンブル」との違い
子供へ「投資」を教えていくうえで難しい事の1つが、この
「投資」≠「投機」や「ギャンブル」
ということをどのように教えるかです
これを間違えてしまうと、「投資」=「お金を儲けること」となってしまい、「投機」や「ギャンブル」と違いがなく、意義のないものとなってしまいます
一方で、今
「投資」と「投機」と「ギャンブル」の違いを子供に説明できますか
この問いに自信を持って「はい」と答えられるでしょうか
この問いは奥が深く難しいです
教えることを間違えると、「投資」=「お金を儲けること」のみに執着してしまいます
「投資」の本質を理解することは、金融教育の中でとても大事です
「投資」とは何なのか
投資は「資産を増やす」ことや「お金がお金を稼ぐ」ことにフォーカスされがちですが、本質ではありません
投資の本来の目的は、投資を通じて社会をより良くしていくこと、そして自分や家族、周りを豊かにしていくことにもつながります
勉強も「投資」の1つ
子供の時は「勉強って何の役に立つの?」と疑問に思い、親になりこの質問をされて困った経験があるかもしれません
勉強も投資(自己投資)の視点で考えると非常に有益です
何も数学や国語など教科に限るものではありません
法律や税務、語学、マーケティング、自然科学など学べば視野を広げ、人生を豊かにしてくれるだけではなく、投資においても役立てることができます
この点についても、本書では「自己投資」の観点から学ぶことの重要性が書かれています
最後に
ここまでは、本書のほんの一部分を簡単にまとめたに過ぎません
高校生やぼくたち親世代にも読んでほしいと思う内容が凝縮されています
また、金融教育や投資のことをここまでわかりやすく、簡潔にまとめられている本はあまりないと思います
本書の題名の通り、「~投資部の教科書」ですので投資にフォーカスされていますが、投資という視点から、金融教育に役立つ知識や考え方が散りばめられています
まずは子供たちの前にお父さんやお母さん、保護者のみなさんにも読んでいただきたい本です
また、N/S高の投資部での教育について興味を持たれた方は、こちらも合わせてご参考にしてください