ここでは
三菱UFJフィナンシャル・グループ
三井住友フィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループ
の金融グループ3銘柄について、高配当銘柄としての優位性を項目別に比較していきます
内容は2022年5月執筆現在のものとなります
MUFG:三菱UFJフィナンシャル・グループ
SMFG:三井住友フィナンシャルグループ
みずほ:みずほフィナンシャルグループ
目次
ズバリ!!結論!!
結論は…
- 買いやすさ → MUFG
- 配当利回り/割安さ → SMFG
です
…て、このくらいは株価と配当金、PERやPBRを見れば誰でもこの判断になりますね
ただ、投資はこれだけで決まるものではもちろんないので、財務的な優位性など総合的にも見ていきます
主な項目比較
高配当銘柄への投資として重要な項目を列挙、優位性のある銘柄を併記しました
各銘柄の2022.3期実績と2023.3期計画、現在の株価を基にしています
- 買いやすさ:MUFG
- 配当利回り:SMFG
- 割安さ:みずほ、SMFG
- 収益力:MUFG
- 効率性:SMFG
- 安定性:SMFG
- 含み益の多さ:MUFG、SMFG
- 加点ポイント:MUFG
他にもあるだろ!!という方はぜひ「お問い合わせ」フォームから一報いただけるとありがたいです
項目①買いやすさ
3銘柄の株価比較
MUFG:725.8円
SMFG:3,896円
みずほ:1,515円
100株1単元の購入を考えると、MUFGは7万円強で買える一方、みずほは15万円、SMFGは40万円近くと買いやすさには差があります
実際にMUFG株を保有されている方も、この点を理由に挙げられた方が多くおられました
項目②配当利回り
3銘柄の配当金と配当利回り比較
MUFG:32円/4.4%
SMFG:220円/5.7%
みずほ:80円/5.3%
配当利回りでは、みずほも高いですが、SMFGに一歩及ばずというところです
買いやすさの順序の逆になっているのもたまたまかもしれませんが、興味深い点です
項目③割安さ
3銘柄のPER/PBR比較
MUFG:9.6倍/0.53倍
SMFG:7.3倍/0.44倍
みずほ:7.1倍/0.42倍
SMFGとみずほは日々の株価で入れ替わる程度の差のため、同率水準として並べました
これは配当利回りの裏返しとも言えます
配当性向や会社規模に対する利益規模が大きく変わらなければ、「割安=配当利回り高い」と言えます
MUFGは買いやすさと最大手のネームバリュープレミアム分が株価に上乗せされている印象です
項目④収益力
3銘柄の経常収益(通常の売上高のようなもの)比較
MUFG:60,758億円
SMFG:41,111億円
みずほ:39,630億円
ここはさすがMUFGが最大手と言われるだけあり、収益力では2番手のSMFGの1.5倍近くを稼ぎ、収益力の差を見せつけています
なお、過去10年間の各社の業務収益推移はこんな感じです
3メガバンク比較/経常収益過去10年を見ても、MUFGは一度も他の2メガにトップを明け渡していないのはさすがです
項目⑤効率性
3銘柄の経費率比較
MUFG:69.3%
SMFG:61.8%
みずほ:62.9%
※業務粗利益に対する経費の割合で算出(各社の公表資料数値に準ずる)
どれだけ効率良く稼ぐことができているかという点では、収益に対して人件費などの経費がどのくらいの割合を占めるかが1つの指標です
この指標は売上が減少したときにどこまで黒字で耐えられるか、という点にもかかわってくる金融株を比較するうえで重要な指標です
このようにMUFG1社のみが、コスト削減に大きく出遅れている結果となっており、収益力の差の割に利益に差が出ていない理由がここにあります
みずほも年々この比率を下げてきており、金融株では高収益企業へ生まれ変わりつつあります
SMFGはこの点では過去を見ても大きく先行しており、他の2社より不況などに耐性があるとも言えます
過去10年間の各社の経費率の推移はこんな感じです
3メガバンク比較/経費率みずほは一時期大きく跳ね上がっていますが、それを除けば3メガバンクともに右肩上がりに経費率が上がっているのは業界特有とも言えます
項目⑥安定性
3銘柄の過去10年で2023.3期の配当額&配当性向40%水準の当期利益の達成回数を比較
MUFG:2期
SMFG:8期
みずほ:7期
ここでの安定性は、現在の配当額を配当性向40%水準でどれだけ安定的に続けられるかという点で比較しました
将来の利益はわからないため、過去10年の実績を1つの比較ベースとしています
この条件を前提とした場合の各社の当期利益水準です
MUFG:1兆円
SMFG:7,000億円
みずほ:5,000億円
配当利回りが違うので、単純比較をすると違和感を感じるかもしれませんが、その点はご了承ください
配当利回りは最も高いにもかかわらず、8/10期と安定した利益を稼ぎ出せているのはSMFG
みずほも7/10期なら十分に安定的と言えます
一方、MUFGはたったの2/10期と大きく後れを取る実績です
ただし、残り4/10期は当期利益1兆円に届かずも近い水準ではあったので、大きく安定性に欠けるわけではありません
過去10年間の各社の(親会社株主に帰属する)当期利益の推移はこんな感じです
3メガバンク比較/当期利益-1項目⑦含み益の多さ
3銘柄の有価証券の含み益(税引後)比較
MUFG:2.34兆円
SMFG:2.08兆円
みずほ:0.72兆円
近年は3社ともに政策保有株の売却などを推進しておりますが、それでもまだこれだけの含み益を抱えています
上記数値だけであれば、MUFGがトップですが直近の円安による為替の影響を除けば、MUFGとSMFGはともに1.6兆円規模の同水準となるため、この2社を同列としました
将来の配当の原資となる含み益で比較すると、みずほが見劣りしてしまっています
ただし、この点はあくまで2022.3期末時点での金額であり、直近の継続的な株価下落や円高へ反転した場合など、この含み益は大きく減少してしまう点はご注意ください。
項目⑧加点ポイント
加点ポイントとしては、ダントツでMUFGです
やはり魅力なのは、モルガン・スタンレーがMUFGの関連会社であり、2022.3期の経常利益の40%近くがモルガン・スタンレーからの利益という点です
会計的な表現でいうと、モルガン・スタンレーはMUFGの持分法適用会社です
MUFGの2022.3期の持分法適用会社からの利益は約4,400億円で、そのほとんどがモルガン・スタンレーからの利益です
SMFGやみずほがこの利益が300億円未満であることからその差は歴然です
この点でMUFGが他の2メガを利益面で大きく引き離しています
終わりに
高配当銘柄としての3メガバンクを8項目に分けて比較しました
僕の主観的な要因も多分にあるかもしれませんが、
配当利回りや安定性ではSMFG
買いやすさや収益力ではMUFG
みずほは全体的に後れを取りがち
という印象です
数値面は各会社の公表資料から抜粋してきたものです
このように数値も並べて比較してみると3メガバンクの違いも見えてくるのではないでしょうか
この比較があなたの投資の参考になれば幸いです
また、何か動きがあれば順次更新していきます
なお、3メガバンクの各々の投資ポイントもまとめています
よければ参考にしてください
三菱UFJフィナンシャル・グループ
三井住友フィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループ
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